岩波現代文庫<br> 生きられた家 - 経験と象徴

岩波現代文庫
生きられた家 - 経験と象徴

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  • サイズ 文庫判/ページ数 264p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784006000455
  • NDC分類 520.4
  • Cコード C0110

出版社内容情報

生きられた家とは,居住した人間の経験が織り込まれた時空間である.古今東西の家に残されたさまざまな痕跡をテキストとして,人間の多様なあり方を読み取る.豊かな文化史的知見を駆使した現象学・記号論の貴重な成果.

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬弐仟縁

33
表紙見返しによると、生きられた家とは、居住した人間の経験が織り込まれている時空間である。どんな古く醜い家でも、人が住むかぎりは不思議な鼓動を失わない(3頁)。この家は、あらゆる時代のデザインを無差別に利用し、風化し、恣意的でまがいものに充満しかねない空間(7頁)。重要なことは、人間が、記憶、潜在的な意識、文化に織りあげられた空間図式を潜在的にもっていることと、象徴をつくりだすことがそれに対応し、2015/10/21

くらひで

3
一見すると意味深でわかりにくいタイトル。人によって生きられた家は、住む人の時間と記憶、経験とが織り成した空間であると同時に、社会構造や都市空間を無意識的に象徴する装置でもある。モダニズムによって家は歴史や価値観・人生観は希薄化し、大量生産大量消費の工業製品に成り下がってしまった。特にスクラップ&ビルトの風潮が蔓延する日本の建築業界に警鐘を鳴らしていると読めなくはない。生きられた家の意味の重みを考え直す必要がある。2014/10/10

編集兼発行人

2
建築物としての住居に関する多面的な考察。道具の進化が齎した手の退化により住むことと建てることが一致しなくなり久しい現代。中心が主要で周縁が淡くなる且つ物が一時的に出現して初めて意味を成す日本における空間認識。顕われて安定する「おもて」と隠されて分裂化する「うら」との非対称性。家の存在が研磨した内外や明暗(≒二項対立)という感覚。家が語る住み手の無意識。技術の革新により機能が実体から分離した近代デザイン。ドキュメントをモニュメントに転化する見立て。等など自然とは異なる人工のコスモロジーを読み解く鍵語が多数。2013/12/25

らむだ

2
生きられた家を切り口に現象学的・記号論的考察をした一冊。内容が多岐にわたり、決して易しい文章ではないので全体を理解することは難しかったが、部分部分でビビッドに感じられる文章もあり、さらに理解を深めたいと思える一冊だった。2013/11/08

Ich_co

2
学生の頃、この本が理解できるまで、わたしは自分の住処について考えよう、と誓った。

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