出版社内容情報
データによる実証が主流の経済学。重要なのが数学だ。予備知識なしで読める、入門以前の「入門の入門」。
内容説明
進化したコンピュータ、大規模化するデータにより、経済学の主流はすでに実証分析へと大きくシフトしている。ますます重要になるのが数学だ。「そうは言っても、数学を勉強すると何の役に立つのか?そこが知りたい」。本書はそう思う人に最適の本である。予備知識なしで読める、入門以前の「入門の入門」。
目次
第1章 経済学と数学―なぜ数学を学ぶのか
第2章 一次関数―市場を数式で表現する
第3章 二次関数―満腹と疲労
第4章 関数の微分「この瞬間の、この感じ」
第5章 関数の最大化―山の頂で考える
第6章 多変数関数の最適化―ケーキとコーヒーの黄金比
第7章 マクロ経済学と差分方程式―富める国、貧しい国
第8章 動的計画法―失業者は関数方程式を解く
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
100
岩波新書はこの頃、日経文庫の代替を果たす感じになっています。日経文庫が基礎的な学問分野の本の出版が少なくなり、その反面岩波新書が活躍です。「ミクロ経済学入門の入門」に続いての出版です。薄い小冊子ながら、かなり経済学の基礎的な部分というのが既習というレベルでないと理解が難しいのではないでしょうか?エッセンスを詰め込んでいる感じがします。ただ最後の読書案内はついており、そこでの本を補うようにすればいいということなのでしょう。2018/03/07
skunk_c
27
経済学、特に数量経済学で用いられる数学の基礎概念を、なるべく平易に解説しようとした書。前半のミクロの方は、一般的な需要関数、供給関数へのいくつかのアプローチを数学的に説明、そこから一般均衡理論へ繋いでいて、一般均衡の概念を理解する助けになった。一方マクロの方は、いきなり高度数学に入っている感じで、もう少し概念的な説明が欲しかった。そもそも経済数学を今後真剣に学ぶつもりがある訳ではなく、考え方を知りたかったので、かなり興味深く読めたが、やはり数学寄りなのと、理論の持つ問題点がよく見えないのは残念。2018/03/03
kk
25
この本、経済の入門書でもなければ数学の入門書でもありません。計量経済の世界で、どんな数学テクニックを活用することによってどんな知見が得られるか、そのサワリをさぁっと紹介するみたいな中身。出てくる数式の数々、超文系のkkにはチンプンカンプンのプンでした。入門の入門にすら入れない悲哀を噛み締めてみました。2021/04/09
ikedama99
18
職場の図書館で見つけて、一気読みをする。入門の入門というだけあって、数学の関わり合いが丁寧に記されている。微分が出てくる必然性などもわかる。数学的な内容で、デルタ・イプシロン論法やラグランジェの未定乗数決定法などもこのように示されると考えやすい。(数学では、イプシロン・デルタだと思うが)コラムの内容は興味深かった。コブ=ダグラス型効用関数は納得できる感じがした。最後の読書案内はとてもよい。数学も知りたいが経済学も知りたくなってくる・・という思いを持った。2020/03/04
Francis
14
一日で読み終えた。経済セミナーで論文を読むときは論文中の数字や式を読み飛ばして読んでいるのだが、数式の持つ意味がある程度理解できた。本当に理解するためには入門書を読み、ワークブックで問題を解かないとダメなのだろう。それでもこの本を読んでよかったと思う。2021/01/31