出版社内容情報
地元経済の現状を自分で可視化する。悪循環を断ち切る地元経済の回し方を考える。そのためのガイドブック。
内容説明
人口減少、駅前のシャッター通り、あきらめ…。地元経済の悪循環を断ち切る方策はないのか。現状をまずは可視化して、お金や雇用を外部に依存する割合を減らすための考え方やツールを紹介する。好循環を生んだ事例も盛り沢山。次なる金融・エネルギー・気候変動の危機に対する「しなやかに立ち直る力」をいま地元で育む。
目次
序章 なぜいま、地域経済か
第1章 地域へ戻りつつある経済
第2章 あなたの地域は「漏れバケツ」?
第3章 まずは地域全体の漏れの度合いを知る
第4章 地域の「どこで、どれくらい漏れているか」の詳細を知る
第5章 身近な「漏れ穴」をふさぐ
第6章 「最大の漏れ穴」をふさぐ
第7章 「漏れ穴」をふさぐ新しい資本主義
第8章 地域経済を考え直す―水俣市と下川町はいま
第9章 地域経済を取り戻す―トットネスで始まる「新しい物語」
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
110
もう少しこの著者の言うように政府が地域振興策を出してもらえれば、という気がします。今の政府は自分の政権にとって効果のないあるいは人気のない政策は行がないということであまり熱心ではありません。最近は首都圏などでも比較的遠隔地房総半島や三浦半島の遠いところから人口が減って東京の近くに皆出てきています。このような状況を見るともう少しITを使用して地域の地元でも仕事ができるという政策や方法を考えていってほしいと思います。2018/06/09
佐島楓
64
地域経済のモデルを「漏れバケツ」に例え、いかに地域内のみで投資を循環させるかという説明が豊富な実例で示されている。とてもわかりやすくて得心がいった。「地産地消」ならぬ「地消地産」など、ちょっとした考え方の転換で地域の可能性はまだまだあると感じた。2018/03/05
もえたく
20
著者が関わった島根県の町などを題材に、人口減少に歯止めがかかった好循環の地域づくりを紹介した新書。いったん地域に入ったお金をどれだけ地域内で循環し滞留させるかが重要とする「漏れバケツ」理論。地元経済の現状を「見える化」し、「漏れ穴」をふさぐ取り組みを具体的に述べられていて、とてもも読みやすく分かりやすかったです。2018/04/04
おせきはん
14
地域に落ちたお金が域外に流出してしまう「漏れバケツ」状態を受けて、どの「漏れ穴」をどの程度ふさぐかは、地域経済のあり方を考える際に重要な視点だと思います。また、全ての「漏れ穴」をふさごうとするよりも、地域の歴史や資源を客観的に評価して、ふさぐ「漏れ穴」に優先順位をつけていくことも大切ではないかと思いました。英国のトットネスで地ビールを復活させた事例などは、歴史を紐といた取り組みで、無から有をつくり出したわけではなく、無理がないと感じました。2018/07/30
ぴーすけのパパ
13
地方創生とは、人口を増やすことではなく、「地域内でおカネが循環する仕組み」を作ることです。この本では、海士町、水俣市、北海道下川町、イギリスのトットネスの事例を紹介しています。それによると、①地域独自の産業連関表の作成等により地域外に流出しているおカネを把握する、②地域の需要を地域で賄う方法を考える、③域際収支に注目して地域外に販売するものを増やすというものです。大事なことは、地域に住む人たちの手によって行うことです。「地元経済」という言葉には、そうした主体的な取組みが必要という意味が込められています。 2019/04/01