出版社内容情報
サッカー中継のパイオニアとして数かずの名試合、名場面を実況したアナウンサーが語る、スポーツ実況論。
内容説明
いまも語り継がれる、あの試合、この試合。サッカー中継のパイオニアとして、ファンの胸に忘れがたい言葉を刻みこんだアナウンサーが語る、スポーツ実況論。躍動するプレーのリズムと濃度を感じながら、言葉とアクションを融合してゆく。練達の士が真髄を伝える。
目次
第1章 スポーツ実況と中継放送
第2章 スポーツ実況のなりたち
第3章 実況席から見るスポーツ
第4章 実況放送のバックグラウンド
第5章 サッカー実況のしくみ
終章 実況中継のツボ
著者等紹介
山本浩[ヤマモトヒロシ]
1953年島根県生まれ。1976年東京外国語大学ドイツ語学科卒業、同年NHKに入局。アナウンサーとしてサッカーをはじめスポーツ実況を数多く担当。解説主幹、エグゼクティブ・アナウンサーを経て、法政大学スポーツ健康学部教授、日本陸上競技連盟理事、Jリーグ特任理事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
zero1
53
サッカーならこの人。【メキシコの青い空】や86年W杯アルゼンチン対イングランドでのマラドーナなど歴史に残る名実況。NHKとは思えない熱いエピソード多数(後述)。⚽【言葉でピンを打つ】や【目を耳に翻訳】など実況の核について語る。【何を省くか】やディレクターなど各スタッフの役割、技術革新による放送の変化も解説。インタビューに求められること、【うるさい放送】とは何か。【言葉は映像と違って、時間をコントロールするのに長けている】など彼らしい名台詞あり。2023/06/15
Mzo
12
元NHKの名アナウンサーであった山本氏のスポーツアナウンサー論。アナウンサーの仕事の背景などを丁寧に読みやすく書いている良作。スポーツ中継についていろいろ論じているが、同意することばかり。画面の向こうで必要以上に騒がれてても、うるさいだけなのですよ…。山本氏のアナウンスは緩急が効いていて大好きでした。また聞きたいな。2018/03/12
Kentaro
6
現場には物言わぬアナウンサーがいる。 サイドと言われるこの役回りはすべき仕事が極めて多い。実況アナウンサーの間違いの指摘、訂正に始まって、スコアラーとしての役割、気象情報やルールの確認、モニターやヘッドセットのトラブル対応まで様々な仕事を抱える。アナウンサーだからこそわかるメモのタイミング、時間の指示など一心同体で進められる。 サイドは実況アナウンサーが見落とした視点でも逐一拾っていく、野球で例えれば優秀な捕手役といったところだろうか。そんな影の支えがあって名実況も生まれるのであろう。2018/04/16
skunk_c
4
ベテランアナウンサーだった著者が、実況放送の現場やスポーツ中継についてノウハウなどを語ったもので、さすがしゃべりが仕事な方だけあって、とても読みやすくあっという間に読了。アナウンスよりもスポーツをアナウンサーがどうとらえているかを知りたかったのだが、その点についても期待通り。アメリカン・スポーツはデジタル、ヨーロッパ系のスポーツはアナログというイメージを持っていたけれど、ほぼ同じ見解。「最初は色々準備したけど結局使わない。でもそれは無駄ではなく、いつの間にか自分の引き出しを増やす」というのは授業と同じ。2015/12/01
林太郎
3
図書館本。NHKアナウンサーの山本浩さんが、実況の現場の歴史と進化、現在を丁寧に説明。スポーツの魅力を高める中継のあり方、工夫について、サッカー中継にも一章を割いている。以前読んだ戸田さんの「解説者の流儀」と違い、アナウンサーとして、如何に見る側・聴く側に、試合内容がリズムよく伝わるかが語られていた。タイプの違う、アナウンサーと解説者の組み合わせは、良いコンビになるとか。山本さんと言えば、個人的には97年W杯最終予選・初戦のウズベキスタン戦の実況が印象深い。静かで熱い実況をまた拝聴したいもの。2018/11/13