岩波新書
イワシと気候変動―漁業の未来を考える

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  • サイズ 新書判/ページ数 198,/高さ 18cm
  • 商品コード 9784004311928
  • NDC分類 663.6
  • Cコード C0262

内容説明

大漁・不漁を左右する海の魚の数は、地球の大気や海と連動して数十年スケールで変動していた―この「レジーム・シフト」を著書は一九八三年、世界で初めて見いだした。九〇年代以降、世界的に大きく進展した研究成果を踏まえ、これからの海と海洋生物資源の持続的利用のあり方に明確な方向性を示す。新しい地球環境観への誘い。

目次

序章 海と漁業で何が起こっているのか
第1章 イワシが消えた
第2章 プランクトンからマグロまで―海洋生態系の大変動
第3章 海は気候を記憶する
第4章 地球はひとつのシステム
第5章 分断された海で―国連海洋法条約と漁業
第6章 日本の漁業はいま
終章 海から、持続可能性を考える―温暖化とレジーム・シフト

著者等紹介

川崎健[カワサキツヨシ]
1928年、中国福建省福州市生まれ。東北大学名誉教授。農学博士。専門は海洋生物資源の動態。1950年東北大学農学部水産学科卒。1969‐85年、日本学術会議会員(8‐12期)。74年まで水産庁水産研究所に勤務。74年東北大学農学部助教授に。75年より農学部教授(85‐89年農学部長)。91年、停年により退官。92‐93年、99‐2000年、国立台湾海洋大学客員教授。96‐98年、台湾省水産試験所客員研究員。現在、日本科学者会議代表幹事、那珂川関係漁業協同組合協議会の設置した「那珂川の魚類・生態系影響評価委員会」委員長。2007年「畑井メダル」受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬弐仟縁

4
マイワシ激減の理由は、成長乱獲によるらしい(30ページ)。乱獲には他に加入乱獲(成魚として乱獲の対象となる)がある(8ページ)。データ詳細かつ多数により説得力抜群。熱塩循環(113ページ)の図をみると、3.11福一原発の汚染水は世界中に拡散したんだな、とのことが素人でも推測できる。極めて問題な垂れ流し行為だと思う。国連から糾弾されないのがおかしい。米国の圧力? 汚染に排他的経済水域はないのだからなんとかならないのかと思う。日本人として汚染や除染がインチキだということを国際的に説明できないのでは恥ずかしい。2013/01/21

スズツキ

3
魚の大不漁の原因を乱獲に安易に結びつける定説への反論。こういったニュースをその後も追い続けると、のちに大豊漁の年を自然と迎えているという。著者は主にイワシにスポットをあて、数十年ごとに海の変化と連動して魚の個体数が増減するレジームシフトという概念を生み出した。2014/11/11

kaizen@名古屋de朝活読書会

2
岩波新書愛好会】30歳くらいまで、鰯の天麩羅は大嫌いだった。 鰯が貴重になってきて、鰯の天麩羅が好きになってしまった。 日本の経済を支えてきたのは、鰯かもしれないと思うと、 漁業の未来だけでなく、日本の未来を憂える。 鰯がなんとか大量であり続けるようにするにはどうしたらいいかを考えさせられた。2010/03/09

ゆうきゃん

2
マスコミで報じられる「クロマグロ乱獲」問題。この本を読めば、魚の個体数の変動とその要因、また世界が抱える漁業問題を歴史的経緯も含めて全体像が掴みやすいと思います。とてもわかりやすく書かれていました。太陽エネルギーが地軸の傾きによって海水に温度差が生じ、地球単位で循環がおき、結果として気候に影響を及ぼしているといったことも、ふむふむ、なるほど!と思った。新聞書評で紹介されていたが、やはり良書。岩波新書すばらしい。2010/04/02

hechima1106

1
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