岩波新書
西域探検の世紀

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  • サイズ 新書判/ページ数 221p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784004307761
  • NDC分類 292.28
  • Cコード C0222

出版社内容情報

楼蘭・敦煌など,各国の探検隊による発掘・発見に沸く100年前の西域は,英露2大帝国の熾烈な勢力争い「グレイト・ゲーム」の舞台でもあった.日本の本願寺大谷探検隊の活動を軸に,新資料で描くシルクロード探検の裏と表.

内容説明

二〇世紀初めをピークに、楼蘭・敦煌などで各国の探検隊による発掘・発見が相次ぎ、世界の注目を集めていた西域は、同時に、英・露二大帝国が演じる熾烈な勢力争い「グレイト・ゲーム」の舞台でもあった。日本から発掘競争に挑戦した西本願寺大谷探検隊も、知らないうちに渦中に巻き込まれていく。新資料で描くシルクロード探検の裏と表。

目次

序章 ラホール博物館―キプリングの『キム』
第1章 情報戦の幕開け
第2章 西域発掘競争
第3章 西本願寺西域探検隊
第4章 西本願寺第二次探検
第5章 探検時代の終わり―西本願寺第三次調査隊
終章 グレイト・ゲームに終わりはない

著者等紹介

金子民雄[カネコタミオ]
1936年東京生まれ。日本大学商学部卒業。Ph.D.中央アジア史研究
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ああああ

12
中央アジア新疆地区が発掘フィーバーだった20世紀はじめ、日本の大谷探検隊の行った調査を追う。当時は人類にとって地図の空白を埋める探検の時代であると同時に、近代国家が領土を確定していく時代でもあった。名だたる探検家たちの物語と英露両国の権益争い、どちらの話も面白い。はたして著書が言うように日本はこのゲームに参加していなかったのか。少なくとも日本政府はそう考えてはいなかっただろう。ぜひ新疆地区の観光のお供に!移動の機中ではキプリングの「キム」を読みたくなること請け合いの一冊。2016/05/24

misui

9
19世紀末から20世紀初頭にかけて、中央アジアを舞台に英露の静かな勢力争いが繰り広げられていた。「グレイト・ゲーム」と呼ばれたそれはあくまでも穏やかな睨み合いであって、両国は情報戦や遺跡発掘を通してお互いを牽制している。そこにのこのこと現れた「西本願寺大谷探検隊」。天然なのか腹に何かを隠しての参戦なのか、日露戦争を間に挟んだ微妙な時期に各国を大いに混乱させていく。個人的にはこの空気の読めなさがいかにも日本という感じで、発掘美術を見るにあたってのひとつのバックグラウンドとして楽しく読んだ。2016/03/16

Yasutaka Nishimoto

3
新彊地区の探検・発掘に奔走する列強。気候、地域性から、1900年前後の同地域を旅することは自殺行為にも近かったと思われるが、日本の大谷探検隊や河口慧海が活躍したのが、想像していたより最近であったことにもまた驚く。僧侶の名前がどうしても、三蔵玄奘のイメージに引きずられてしまう。今もなお、政治的や宗教的・民族的な理由から容易に調べることができない場所は、やはり砂に埋もれてしまうのだろうか。2016/08/13

黒い森会長

3
19世紀後半から20世紀前半の西域・中央アジアの探険史。ロシアの南下と英国インドが衝突する地帯。グレイトゲームの舞台。後半は、名前だけが有名な大谷探険隊の詳細が描かれる。地名や人物名が不慣れで、メモを取りながら読む。2016/01/04

くまきん

3
20世紀初頭、所謂「西域」「シルクロード」...楼蘭、敦煌で良く知られるこの地域は各国の探検隊による発掘で世界を賑わせていた。しかし、それは英・独・露など列強各国の覇権の勢力争いの情報収集の思惑が絡んでいた事は言うまでも無い。そんなパワーゲーム(本書ではグレートゲームと称している)の渦中に、のこのこと学術調査に出かけていった西本願寺西域探検隊(大谷探検隊)の運命やいかに...(笑)しかし人工衛星から10cm単位で出歯亀出来る現代とちがって、この時代まだまだ地球上には未知の世界があったのだと言うのは憧れとロ2015/02/02

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