岩波新書
真贋ものがたり

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  • サイズ 新書判/ページ数 226p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784004304517
  • NDC分類 706.7
  • Cコード C0272

出版社内容情報

世にあふれる偽物.これらは一体いつ,誰によって,またどうやって作られるのか.30数年来世界中の美術館やコレクターのもとで陶磁器を中心にさまざまな美術品を研究してきた著者が,あらゆる贋作つくりのテクニック,売り込みの仕方,また社会を揺るがした真贋論争などを体験的エピソードを交えながら紹介し,その中から真贋鑑定の奥義を伝授する.

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

鉄之助

228
本物には「柔らかさ、ほのかな暖かさ」があるのに対し贋物は、ニセ作者が「間違ってはいけない」という緊張感をもって作るので、我々、それを見る者に硬さやぎこちなさが伝わってしまう。ニセモノだから、常に「下手くそ」とは限らず、時に技法的には本物より精密であることがある……。とは名言だ!洋の東西を問わず、本物と、偽物のせめぎあいは、すさまじい。時には真贋を超えるモノ、が感動をよぶ。2020/09/05

Aya Murakami

85
他館図書館本 あまりなじみのない美術の世界の話(高校大学とも美術とは縁が薄かった) 沈没船のトレジャーハンターの話、永仁の壺事件の話、美術館で模写してたら展示絵を汚してしまった話、主文様と従属文様など美術とひとくくりにするにはかなり範囲の広い一冊でした。 とくに気になったエピソードはキーティング流降霊術と松方コレクションにたいするフランスの対応。 ギャラリーフェイクと真贋の森が読みたくなりムラムラする。2022/01/23

にゃん吉

6
著者の専門の中国のやきものに関する話を中心とした美術品の真贋にまつわる読み物というカンジです。ホンモノの美術品は、美しく、希少性があるから価値があるのでしょうが、後者ばかりに囚われてしまいがちなのも人の性で、それがニセモノが生まれる土壌となっていたり、また、ホンモノでも、出来が悪くて美しくないものがあったりするという、真贋を巡るせめぎあいは、非常に人間臭く面白い。永仁の壺、佐野乾山の話など、興味深くありました。   2020/04/12

ホークス

6
美術品の真贋に纏わる話。興味のある方は既知の話も多いだろうが、この本の魅力はスキャンダルでは無い。まず著者の学究的でクールな姿勢と、豊富な経験から導かれる興味深い知見。佐伯祐三のデッサンのヘタさから、この人こそ本当の油彩画家だと気付いたりする(皮肉ではない)。又、偽作者やヤラセへの怒りの末に著者がたどり着いた境地に共感した。人が人である限り、美への憧れも、繰り返される愚行の数々も、人間らしさとして受け止める他ない。大事なのは「楽しんで物を見る事」。2015/06/28

tama

6
図書館本 安野光雅さんの本に出てたので。①正倉院御物はかつて「全部日本製」としか言えなかった!古き良き日本ってこんなもん。②大英博物館は無料だが、そこで贋作展やったときはそこだけ有料だった!③よいと分かっているものを「ジャンル問わず見る」のが目を育てる。④目が肥えて、真によいものでしか感動できなくなるのは不幸か?(私は・・・腐った耳で腐った演奏を喜ぶくらいなら、肥えた耳で不幸でいる方がいい!自分の演奏が腐ってるのに気付かないような腐れ耳でいるのはまっぴらだ!)2014/10/08

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