出版社内容情報
阪神大震災は国主導政治の弱点を露呈させた.都市型社会の今日,市民自治と分権,新たな市民文化の熟成が望まれる.シビル・ミニマムを質的に整備し,真の国際化に呼応できるのは劣化した国の省庁ではなく自治体である.長年の体験に基づく蓄積が講演の形で平易に語られる本書は,オカミ崇拝の政治風土に強力な一石を投ずる.
内容説明
阪神大震災は国主導政治の弱点を露呈させた。都市型社会の今日、市民自治と分権、新たな市民文化の熟成が望まれる。シビル・ミニマムを質的に整備し、真の国際化に呼応できるのは劣化した国の省庁ではなく自治体である。長年の体験に基づく蓄積が講演の形で平易に語られる本書は、オカミ崇拝の政治風土に強力な一石を投ずる。
目次
1 なぜ、自治・分権なのか
2 分権の意義・課題と考え方
3 先駆自治体における政策開発
4 思想状況としての市民自治
5 自治体理論の基本論点
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
takeapple
11
日本の政治を考える上で、国会と内閣をどうするかが大事だと思っていたけれど、実は市町村や都道府県が地方政府として権限を有して市民がそれをコントロールしていくこと、感染症対策や災害時の救援など地方自治体を越えた部分を国が、更に国際機関にも政府としての役割があると言うことが書いてあり衝撃でした。まずは政治システムを読み替えて、市民からのボトムアップの体制を創らないといけないのだろう。正にコロナなど感染症に強い政治体制ってこういうことじゃ無いだろうか。2021/09/24
壱萬弐仟縁
2
市民文化という概念は今でも魅力的である。阪神大震災後の時期に出版されたが、3.11後の今、改めて問いなおしてみたいことばだと思った。2012/04/09
Ra
1
五つの論文をまとめた新書。分権改革の議論途中に刊行という点に留意。分権化・国際化・文化化が不可避であるというのが主張の中核。明治国家以来の〈官治・集権〉を〈自治・分権〉に転換するのが急務と説く。以下、メモ/民主政治においては政治家の文化水準≦市民のそれ/分権改革=革新自治体以来の自治体改革の進展×国際化による分権化の不可避性/シビルミニマムとしての社会保障、社会資本、社会保険の公共整備/政府は三層で信託機構/国は基準行政、県は補完行政、市町村は基礎行政/自治体の課題は地域個性、地域総合、地域先導2017/04/10
シン
1
考えるための知識が足りてないなと実感。2006/12/05
玉瑛
0
冒頭の地震などの自然災害に対して動くのには、政府ではなくて地方自治体でなければならないというようなところには確かに、と思ったが、全体的に話が前後していて解りにくい。大学の指定図書じゃなければ投げてた2015/03/09