内容説明
日本における公害問題の原点ともいえる足尾銅山鉱毒事件。この問題に人生を賭して立ち向かった田中正造(1841‐1913)の厖大な数にのぼる書簡・日記等の文書から、その思想と生きざまを伝えるエッセンスを精選。本巻には、有名な明治34年の天皇への直訴状など、明治11年10月から同37年7月までの文書を収録。
感想・レビュー
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さっちも
10
田中正造がたびたび用いてたという、辛酸入佳境 楽亦在其中「辛酸佳境に入る 亦楽しからずや」を拾いたくて購入。古語が難しくて断念。田中正造で何か読みたい。2023/10/08
壱萬弐仟縁
6
漢字とカタカナばかりの文章は、ふつうの文章よりもかなり読みづらい。今回は普通の文章から。明治33年4月9日第三区選挙人ほか宛書簡で、「歳費増加政府案の日程に登るや、即日憲政本党は全党の一致を以て増加すべからずとの党議」(229ページ)。これは、現代の消費増税すべからず、となってほしいと思った箇所。足尾鉱毒問題(278ページ~)は、現代の福一原発事故による汚染水や稲藁など汚染、さらに風評被害をもたらしたことと比較して考えると、公害の歴史に決着すべきか、考えざるを得なくなる。公害は私からの害と長島教授の解釈。2012/12/28