岩波文庫
租税国家の危機

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  • サイズ 文庫判/ページ数 141p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003414743
  • NDC分類 341
  • Cコード C0133

出版社内容情報

第一次大戦の終結まぢか,空前の公債累積にあえぐオーストリアの現状を眼前にしたシュムペーターが,財政の側面から国家の本質・形態・運命の把握を試みた財政社会学の基本的文献.自由経済社会を前提とする租税国家の姿を中世以来の歴史の流れの中に探究し,資本主義の衰退とそれにつづく社会主義への展望を明らかにする.

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬弐仟縁

67
Amazonより。租税も貧しいものから搾取するようでは困る。シュンペーターは、国民の精神、文化段階、社会構造を問題にしている。財政と、政治的機構の関係を取りざたする。国家は共同体目的のための機関という。市民社会は、労働と貯蓄は自己目的のみともいう。64ページにあるように、戦争で貧困化した国民経済を、さらに、貧窮化させるのはどうしたものか、という。御意。74ページには、戦後の悲惨さが描写されている。ウクライナ戦争下、日本の防衛予算の巨額化には本書の警鐘として受け止めないと、金銭感覚が狂ってしまう。2023/06/10

Francis

15
7年ぶりの再読。財政社会学の参考文献として上げられていることを井手英策さんの本などを読んで知ったので再読。80ページ程度のパンフレットなのだか、今回はかなり理解が進んだ。後半の部分はまさに財政赤字が拡大した現代日本にもあてはまる内容。今の日本は戦費ではなくて社会保障費用が大きくなっていることが問題になっているのだが、この本はその問題について大きな示唆を与えてくれると思う。2019/06/22

Sumiyuki

7
十年ぶりの再読。頭痛を伴う読書である。ハゲそう。財産税は、庶民には影響ないよ、みたいな部分がわからん。@予算が国家の「あらゆる粉飾的イデオロギーを脱ぎすてた骨格」であるという真理@財政史の告げるところを聴くことのできるものは、他のどこでよりもはっきりと、そこに世界史の轟きを聴くのである。@租税国家は、財政上の利益のために、人びとが生産して損をするとか、あるいは生産に最善の努力を払わなくなるほど要求してはならないのである@もしも租税国家の死活問題を戦争に結びつけるとすれば、皮相にとどまるということである2020/05/24

有子

5
レポートのために。散々書いたのでここでさらに書くこともあまりないのだけど、本文80ページ程度とはいえ1回読んだ程度でわかるものではないなと。もっと多くのことを学んで何年後か何十年後かに読むと、もう少し理解できるかもしれない。今の段階では、「共同の危機」つまり財政需要から国家が生まれたという、租税国家の成り立ちが面白いなと思ったよ。タイトルである租税国家の危機まではたどり着かなかった。がんばれ未来のわたし。2021/01/25

がっち

4
第一対戦前に書かれた本であるので歴史背景をつかむのがしばし難しかったが、それに財政社会学はなかなか難しい。財政の需要から国家が始まると言う論は難しかった。社会主義であればよいのかというのもいまいちわからないし、いまいちわからなかったことが多い。しかし、オーストリアの様子を見る限り、戦争は必然に起こった事なのかもしれないと思ってしまった。もう一度読む。2013/05/31

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