岩波文庫
ミル自伝

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  • サイズ 文庫判/ページ数 301p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003411681
  • NDC分類 133.4
  • Cコード C0123

出版社内容情報

経済学者として,思想家として,また論理学・哲学・倫理学・文芸評論・宗教論争で大きな業績を残したジョン・スチュアート・ミル(一八〇六―七三).どの分野でも,それぞれ一人の人間が一生かかるほどのことを見事に成しとげた驚くべき彼の力の秘密はいったいなんであったのか.あらゆる自伝中の白眉と称えられる精神の発展の記録.

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Nobuko Hashimoto

30
みるみるミルに魅了され。書評連載でも取り上げた『女性の解放』を読みながら、「ミル最高!めっちゃ面白い!」とキャイキャイ言っていたら、夫氏が『ミル自伝』を引っ張り出してきてくれた。ミル父が、英才教育を施した子ミルに、おまえが同世代の若者よりもものを知っていたとしても、それはおまえの手柄とはちゃうで、父がつきっきりで勉強みれたっちゅう幸運からやで、勘違いして思いあがるんちゃうでえ~と諭すところが一番印象に残った。その他もろもろブログに。https://chekosan.exblog.jp/30456628/2021/03/13

ヒロキです

14
著者ジョン・シチュアート・ミルの幼少期から出版当時の現在の活動について述べられた本。 幼少に経済学を学び、微分積分をマスターしてギリシャ語ラテン語を身につけて、それを踏まえてギリシャ哲学「アリストテレス、プラトン」を学ぶ…それは天才になるだろと言うのが正直な感想。漫画のがり勉よりがり勉だった。 本人も言っていたが子供も凄いが何より教育する父親も凄いなと思った。教育に関してもインプットに留まることなく、しっかり議論させることでアウトプットをして知識を確かなものにしていた。恐るべしミル。2020/02/05

masabi

10
ミルは幼少期から当時の最高の英才教育を父から受けたが、父にとっては奥さんが大家族の家事や裕福とは言えない家計状況でとてもではないが知的教養にまで手が回らなかったので過剰なまでに教育に力を入れたのかと思った。徹底的に思索する習慣を早くから身に付けたために多くの分野で人1人が生涯かけ達成するほどの水準に達することになった。奥さんへの過剰な賛辞があるがそれはミルが愛していた故か。2014/10/10

anarchy_in_oita

8
ミル一生涯の知的関心を精緻に追った自伝。細かいのはいいが興味を惹かれない話題も多すぎて目が滑る滑る…ベンサム的功利主義に傾倒した青年期から、思索や対話を通じてその体系に疑問を抱くまでの過程が大変興味深かった。つい後世に系統立てて纏められた教科書で思想を学ぶものとしては、ある思想家と他の思想家との差異ばかりに注目してしまう。しかし思想を発展させるという観点に立ったときには、いかにして彼らが他者の思想を学んだかに着目することが重要になるように思えた。2020/04/02

てれまこし

4
功利主義者の父親により幼少から英才教育を受けたミルは、青年期に精神的危機を経て、ロマン主義に向かう。この危機は彼の教育と深く関わっている。分析的知性に重点が置かれた父親の教育は情操教育をおろそかにした。しかし、彼の異常に発達した知性は彼に生きる意味は与えてくれなかった。快楽と苦痛だけでは人間が完成しない。労働者階級の味方であるミルは、同時に教養を持つ自由人が大衆に呑み込まれるのをひどく恐れた。ロマン主義の摂取がミルの政治思想にどのような影響を与えたのかを知りたかったのだけど、自伝だけではよくわからなかった2019/04/16

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