岩波文庫
科学者と詩人

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  • サイズ 文庫判/ページ数 218p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003390252
  • NDC分類 402.8
  • Cコード C0198

出版社内容情報

キュリー夫妻,エルミート,ケルヴィン卿など,19世紀末から20世紀初頭にかけてヨーロッパで活躍したさまざまな分野の科学者と詩人について,同時代の科学者ポアンカレが折々に記した評伝集.

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

roughfractus02

4
物理学者、数学者、化学者、天文学者らの中に文学史家や詩人も含む弔辞集だが、著者は故人を追悼しつつ専門化に走る科学を憂い、諸学を渡り歩く万能人の必要を説く。科学は詩を殺すというロマン派詩人キーツの言葉に抗うように、本書は科学が理論と実践の連係を崩さない点を強調する。一方、理論に集中する科学の「脆弱」さを危惧する彼の言葉に、本書の翻訳者でマルクス主義批評家の平林初之輔は自らの立場の論拠を見出しただろう。他方、この翻訳を読んで専門化する科学の本質を見据えたのは科学者であり詩人の寺田寅彦だという(「空想日録」)。2017/10/11

MAT-TUN

3
ポアンカレ一流の同世代の人物への祝辞、弔辞、演説などの評伝集。この上なく格調高い稀有な書物。序章のピエール・キュリーへの弔辞を読むと涙が出てくる。またエルミートへの真の尊敬と敬愛あふれる祝辞は胸をうつ。エコールポリテクニクでの同窓会の挨拶も非常に興味深い。なんとすばらしい本だ。この書物は昭和3年(1928年)の出版だが、いまなお読む価値があると思う。2012/03/15

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