岩波文庫
使徒のはたらき - 新約聖書

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  • サイズ 文庫判/ページ数 196p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003380321
  • NDC分類 193.69
  • Cコード C0116

出版社内容情報

『福音書』のあとをうけ,エルサレムにおけるキリスト教団の誕生からパウロのローマ到着までのおよそ三○年間のキリスト教初期発展の歴史を記した書.主に十二使徒の代表者ペトロとパウロの活動を通してこの興味する時代を生き生きと描く.今日広く行きわたっている原始キリスト教会の実像も虚像も実は皆この文書に発している.

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

molysk

25
使徒のはたらきは、新約聖書の冒頭である福音書に続く巻。前半は、主にペテロによるエルサレム教会の成立と拡大。福音を説き、病人を癒すことで、信仰は広がる。一方、ユダヤ教徒による迫害も激化して、殉教者も出る。後半は、回心したパウロらによる伝道旅行。信徒たちは、異教徒たちにも教えを広めることを会議で決める。パウロらはシリア、小アジア、ギリシャなどを、成功と失敗を繰り返しながら伝道を続け、ローマに至る。原始キリスト教の発展を記述する貴重な記録であると同時に、神学的な脚色の存在も意識しなくてはならないだろう。2020/01/24

きゃんたか

21
小アジア、マケドニア、ギリシャ、ローマの道々、使徒たちは折に触れて霊感の促しを受け、行く手を神の導きに委ねる。醍醐味は何と言っても、ギリシャ文化や古代の神々の影響下にある異邦人の、キリスト教に対する生々しい反応記録だ。ぺトロとパウロはメシヤ預言を引用し、ナザレ人のイエスこそがその人であることを論証する。ユダヤ教徒に迫害され、ギリシャ人に嘲笑われ、あるいは神と崇められ、占い師には商売敵の廉で訴えられる。この書で決定的な出来事は、割礼の無効化と聖霊の洗礼、即ちキリスト教の、ユダヤ教からの名実共の独立である。2016/12/17

刳森伸一

4
キリスト昇天後の使徒(特に、パウロとペテロ)のはたらきをまとめた新約聖書内の文章。使徒たちの精力的な活動には目を見張るものがあり、初期キリスト教の伝搬力の強さや教会形成を垣間見れるものの、福音書でキリストが行うたとえ話のような深い味わいのある教説には乏しい。クリスチャンにとって重要な文章であることは分かるけれど、福音書には遠く及ばないというのが率直な感想である。 2016/03/24

井蛙

3
イエス昇天後のペテロの布教とパウロの回心から異郷人への伝道が物語の中心となっている。とくにパウロの伝道は、アブラハム-イサク-ヤコブの神の教えがユダヤ人による迫害を通して民族宗教から世界宗教へと変貌を遂げるというターニングポイントを示している。が、下心から読んでいた自分にとっては面白みはあまりなかった。まあ使徒のみんなが頑張っていたので勇気をもらいましたね。2018/01/09

Silver Creeks

2
世界の宗教の経典を一度は読んでおきたいと思っていたので本書を選択。 物語としても興味深い内容でわかりやすかったです。口語訳であることもわかりやすい理由だと思いました。

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