出版社内容情報
旅に明けくれて布教に努めた一遍(一二三九―八九)は,死に臨み「一代聖教みなつきて南無阿弥陀仏になりはてぬ」と述べ,一切の書籍を焼き払ったという.本書は,一遍の手紙や『聖絵』などを基に編集,一七六三年に刊行された.すべてを捨て去った一遍の思想は,豊かさの中の貧しさを感じるわれわれに強い衝撃を与えずにはおかぬ.
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬弐仟縁
8
三悪道とは、餓鬼・畜生・地獄(8頁)。確か大川隆法氏の映画でも出てきた記憶があった。五欲とは、色・声・香・味・触の欲望(13頁)。三界とは、三有でもあり、欲界・色界・無色界(18頁)。三業とは、身業・口業・意業(24頁)。脚注を読んでいくだけでも数字の意味が理解できる。自力は自らおさめる功徳力、他力は他による力用(83頁)。福業とは、世間的な幸福を招く善良な行為(103頁)。いい言葉だと思える。人の幸福を願うことゆえ。人間、偽善者という加害者なのに被害者であるかのように振る舞うのもいる。天罰が下るだろう。2013/04/14
ダイキ
4
凄まじい言葉の数々。「行ずる風情も往生せず、声の風情も往生せず、身の振舞も往生せず、心のもちやうも往生せず、ただ南無阿弥陀仏が往生するなり。」、その中でもこれは特に凄まじい。2017/01/27
めんま
2
無阿彌陀仏のもとに全てを捨て、往生へと向かう。教義の細かい内容よりも、基本的なスタンスがロックでカッコいい。2021/01/26
れんきゅう
0
「一代聖経みなつきて南無阿弥陀になりはてぬ」という一言に尽きる。播州法語集のほうが読みやすかったように思う。2017/02/09
鬱僧
0
語録と法語集で重複している部分が多いのは仕方ないが面白いとこと退屈なところの差が激しい。冒頭の偈、特に百利口語は七五調の絶品で声に出して読みたい日本語2019/10/25