出版社内容情報
中国古代の法家思想の大成者とされる戦国末期の思想家韓非とその継承者の論著の集成.人間とは自分の利益を追求する存在であるという非情な人間観から,歯切れのよい文章で,法律・刑罰を政治の基礎だと説いてゆく.秦の始皇帝の法律万能の思想こそ,この法家思想であった.また,伝説・寓話に満ちた書としても有名である.付・索引.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ビイーン
33
「韓非子」というと「非情の書」というイメージで敬遠されがちだが、実際に読んでみれば行動心理についての深い洞察力を見出すと思う。現代社会も政治的で利害関係の上に成り立つ故に「韓非子」に書かれている事は約2300年の歴史を超えてリアルに感じられ興味が尽きない。ことわざの「逆鱗に触れる」は「韓非子」説難第十二の記述。2018/12/23
wiki
18
古典はじっくり読むに限る。と言い訳して一冊読了に3ヶ月かかってしまった。本書曰く、人間は利害で動くものである。よって賞罰を厳格に行う事こそ国家を治める方法である、と。感情を信じず、冷徹なまでに賞罰の原則を貫く。まだ一巻であるが、総じて本書は諸刃の剣だと思う。持つものがどのように使うか。利害の人間を炙り出すという意味で武器となる。しかし「不畏重誅、不利重賞、不可以罰禁也、此之謂無益之臣也、吾所少而去也」と、原則に合わぬ忠義の臣を無益であると切り捨てる恐ろしさもある。理解できない人ほど恐ろしいものはない謂か。2023/08/28
ゆうきなかもと
18
ずっと積ん読中だったが、ようやく読んだ。 内容がものすごく良い。 組織の長がどうあるべきなのか?あるいはどう部下を動かすべきなのか?などビジネスへの応用も出来そう。 また、中国の歴史上の治乱興亡の理を明らかにしている書だとも言える。特に第9章の「八姦(はちかん)」はそのものずばりで、国を乱す8つの方法が示されている。 という視点から見るとある種の歴史観を示した本とも思え、たまらなく面白さを感じた。 2019/04/17
Shinya
17
ようやく読破。全体を通して、賞罰を明確にすることで統治がうまくいくと言ってるような印象。 治める側だけでなく、裏を返せば仕える側にとっても役立ちそうな話もあった。2017/12/16
とりっぴー
15
現代にも通用する考えと思う。