出版社内容情報
『孫子』13篇は中国最古の兵書である.しかしそこに記された戦略・戦術の論議における深遠な洞察は,広く人生全般の問題に適用しうるものである.新出土の竹簡資料との照合も経た新訂版.巻末に重要語句索引を付す.
内容説明
『孫子』13篇は、中国最古の兵書である。そこには、現実的な戦術が深い思想的裏づけを得て、戦争一般、さらには人生の問題として、広い視野の中に組みこまれている。竹簡の新資料との照合も経て、またさらに読みやすくなった新訂版。原文・読み下し文・現代語訳に平易な注を加え、巻末には重要語句索引を付した。
目次
計篇(第一)
作戦篇(第二)
謀攻篇(第三)
形篇(第四)
勢篇(第五)
虚実篇(第六)
軍争篇(第七)
九変篇(第八)
行軍篇(第九)
地形篇(第十)
九地篇(第十一)
火攻篇(第十二)
用間篇(第十三)
1 ~ 2件/全2件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
hit4papa
82
ビジネスに応用した書籍を多くみかけますが、あらためて読むと、戦闘における戦略・戦術を説いたものです。「兵とは詭道なり」、「百戦百勝は善の善なる者に非ざるなり」、「彼を知りて己を知れば、百戦して殆うからず」等、有名な箴言を目にすることができ、解釈のしようによってはビジネスマンの心構えと捉えることは可能なのかもしれません。少なくとも想像力の大切さは読み取ることができます。現実世界に強引に当てはめるより、戦国時代を舞台とした歴史小説に重ね合わせる方が楽しいでしょう。孫子って誰?は、ハッキリしないんですね・・・。2021/03/23
HANA
68
再読。以前読んだのはある病気真っ盛り中の中学生の時分だった為ほぼ内容は理解してなかったが、改めて読んで何故何千年も前の本が現代までにも影響を与えているのかよくわかった。いや、凄いわ。戦略から戦術、はては地形の様相から間者の使い方まで微に入り細に入り詳しく説明されている。流石に戦術は現在では通用しないものの、戦略の部分が通用するのは本書が優れているからか人間の本質が変わらないからか。他にも有名な「己を知れば~」、「兵とは詭道なり」や風林火山等一部が有名すぎる言葉も全文で読めば印象が変わるし。凄い一冊である。2022/01/18
藤月はな(灯れ松明の火)
62
父との喧嘩で腕を封じられた時に蹴りつけなかったことを今も後悔している自分への戒めを込めて読んだ所、「負けることも戦略である」は救われたな・・・。そして『小学4年生の世界平和』での授業の基になった本でもあります。「戦争とは長引かせ、犠牲者を多く、出すことではない。少ない陣営でも己と相手、地形の情報を得た上で万全の態勢で如何に早く、効果的に終わらせるかが戦争である。戦わずは猶更、善し」。最大公約数の幸福に見えるけど、本当は人間をよく、理解した現実主義。2014/10/10
みゃーこ
62
どんだけ感情を切り捨てて目的遂行に志熱く貫けるかが勝利のカギだと思った。なぜなら時を過たず周囲の力を最大限利用し、敵の急所を一気につく、というのは並々ならぬ冷静さが必要だもの。私利私欲、私恩…「わたくし」と名のつくものは一切排除し「目的」達成のためにどう動くかに意識を集中しなければならない。冷淡なまでに自分と敵のすべての情報を正確に分析し、知り尽くしておかなければならない。勝利するため、それが全てであらねばならない。「おお、そこまでして勝ちたくない」と思った私は、乱世で木偶の坊か淘汰される。2012/12/15
しゅてふぁん
59
戦術に関して詳しく説明されているのかと思って読んでみたらちょっと違った。勝敗は戦う前に決まる、権謀こそが大事だと書いてあった。色々な物事に応用できて深い。さすが現代まで読み継がれてきた作品だなと納得。これは何度も繰り返し読んで自分なりに解釈していくのが醍醐味なんだろうな。2020/05/22