出版社内容情報
江戸時代の三大農学者のひとり大蔵永常(1768頃‐?)の主著で,彼の農学大系がここに集成されている.この時期,商業資本の台頭により諸領主の財政は危機を深め,農民の疲弊窮乏も特に深刻なものとなった.本書で永常はその救済を産業振興,生産向上に求めて,彼自身の諸国行脚による見聞を基に,きわめて具体的懇切にその手段方法を述べている.
内容説明
江戸三大農学者の一人永常の主著。領主の財政危機と農民窮乏を救うため自己の見聞を基に産業振興・生産向上の手段を具体的に説く。
目次
国産を拵ふる心得の弁
国産となるべき品々の事
茶並ニ心得の弁
諸方の国産品々有りといへども各近来より始り広大になりたる話
桟留機の図並に寸尺
国産の木綿類の事
桟留縞を織る糸拵への事
同十反続きに織る糸拵への事
同染方の事
同糊入の事〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よしひろ
6
挿絵が親切。江戸時代の農書だが楽しく読める。砂糖など様々な作物の種まきの時期、肥料、収穫など広い視点で効果的な方法を説く。これだけの書物を当時の農民は読んでいたのだから、江戸時代の日本人の識字率が世界一というのもうなづける。実際は本の内容通りにはいかないだろうが、農業をやってみたくなる本でもある。2015/08/22
シンドバッド
3
校訂者は当時の農業従事者を読者に想定して、ルビを原本より少なくしたとあるが、私は漢和辞典を無くしては読めなかった。 内容は、大変、興味深く、農業全書より面白かった。 2015/11/07
6 - hey
3
輸入代替の必要性を江戸時代から説いている驚くべき本。2012/11/02
6 - hey
1
本整理のため、再読し、棚へ。本書は副業のススメともいえるかも。