岩波文庫
ミケランジェロの生涯

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 214p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003255636
  • NDC分類 702.37
  • Cコード C0123

出版社内容情報

ミケランジェロとベートーヴェンは,ロランの眼に全く対極的な二つの宿命と映じたが,彼はそのいずれをも限りなく愛した.本書には,性格上の欠陥と天才力との相剋する,美しくも苦悩に満ちたミケランジェロの生涯に対する畏敬の念が深く刻まれている.引続く幾多の作品を貫くロランの倫理の芽生えを我々はここに見出す.

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

テツ

25
芸術には疎いけれどミケランジェロによるサン・ピエトロ大聖堂のピエタだけは大好きで死ぬまでに一度見たいと思っている。そんなわけでミケランジェロの生涯を。偏屈で孤独な変わった人間が物言わぬ物質を削り、それがそこにあることが約束されていたかのような神の姿を取り出す。芸術って人間の成す小さな奇跡だよな。生前から賛美され崇拝されていたこんな天才にも悩み苦しみがあり、その手で石の中から神を抉り出してもそれは消えなかったという現実。色々考えちゃうな。彼の魂が安らかでありますように。2017/10/08

会津の斎藤

16
輝かしい栄光や偉業に目はいきがちですが、 偉人にはそれ相応の苦悩があるんだ。と感じました。 88歳まで生きて、死ぬ直前まで制作していたとは。 凄い。2021/06/21

Satoshi

12
システィーナ礼拝堂の天井画は死ぬまでに見てみたい芸術作品の一つである。その作者であるミケランジェロの生涯をロマン・ロランが描いた名著。力強い作品から、妥協を知らぬ強い意思の持ち主だと勝手に想像していたが、権力者の思惑に右往左往させられ、孤独な生涯を生きた信仰心の強い人物であることがわかった。セルフネグレクト気味な私生活とワーカホリック気味な製作過程も興味深い内容だった。2021/02/24

おとん707

7
ローマ法王やメディチ家と激しく対立しながらも彼らに傑作を残したミケランジェロだが、これは依頼主の意向に関わらず自分の信念を作品に貫き通した結果のようだ。そう考えるといかにも強い人間を想像するが実際には物事を決めきれない、頼まれれば断れないような人間臭い人物だったようだ。ロマン・ロランはミケランジェロの偉大さよりもこの人間の弱さに光を当てて生涯を辿っている。これによってなぜ依頼主と対立しつつも制作が進められたかの謎も解けてくる。訳者の高田博厚はロマン・ロランと親交のあった彫刻家で、文は古いが貴重な翻訳だ。2020/07/13

Ribes triste

6
本屋でパラ見していたら、どうにも止まらず、購入してしまいました。これまでミケランジェロという人が、どうにも理解出来なかったのですが、この本でようやく理解出来た気がします。ロマン・ロランの物語の運びが実に面白くて、他の伝記物も読んでみたいと思いました。2016/09/14

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/538182
  • ご注意事項