岩波文庫
ノア・ノア - タヒチ紀行 (改版)

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  • サイズ 文庫判/ページ数 118p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003254912
  • NDC分類 297.5
  • Cコード C0198

出版社内容情報

株式仲買人であった画家ゴーガン(一八四八‐一九〇三)は,内心に潜む美のデモンに駆られてついに職と家族をなげうつ.文明社会を嫌悪した彼が最後に行きついたのは南海の原始の島タヒチであった.その神秘な原色の美は彼に無限の霊感をもたらしたのである.本書はこのタヒチ行の記録であり,ゴーガン自身の手になる版画を多数収載.

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kazuさん

33
タヒチでの最初の2年間の生活について。原本に掲載された水彩画や版画などの図版は割愛され、文章のみ。野蛮人であるマオリー族は文明化されたフランス人より遥かに清らかに生活していると。42歳のゴーギャンはタヒチに着いてしばらくしてから、トンガス族の13歳の少女テフラを現地妻に迎える。この日常生活の様子が本書の内容の約半分を占める。最後はこの少女を捨てて、フランス行きの船に乗る。生活資金が底をつき、タヒチを題材にした絵を本国で売るためだった。2022/11/24

mm

33
ゴーギャンの絵が好きで、「月と6ペンス」を読んだ。この小説と彼の絵は少し乖離してるんだけど、この紀行文と絵はうまく重なります。本人が書いてんだから当たり前か。この紀行文を書くに至ったのも、要は金のためでホンマに金に苦労したんやね〜〜という認識は強固になりました。この本の中で、タヒチの神話がわりと詳しく紹介されているのが興味深い。月はやはり女神か。永遠に繰り返しをする月は不滅だけど、人間と大地は滅びる運命らしいよ。方舟伝説もある。N音とA音は相性が良いのだろうか?ノアノアは、マオリー語で香気あるの意味。 2017/11/15

けいご

32
ゴーギャンがタヒチでの体験やその文化を綴った一冊★自然の中で生活しながら絵を描く事はどういう事なのか?本当のゴーギャンとはどのような人物だったのか?を脳内イメージする事が難しかったのですが読んだ事で幾分か理解できた気がしますw自由を得続ける為には自分を取り巻く文明を捨て続ける必要があったのだろうけど、文明の産物である絵画を捨て去ることが出来なかったが故に自由を手に出来なかったのかもな〜っと思った反面、絵画を遠い世界の中に連れ込んでくれたことでアートを自由にしてくれたのかな〜っとも思いました。2021/06/23

ふみ

22
やっぱなー、月と6ペンス読んでこっち来ると このショボさがたまらんいいんだよなー。2016/04/17

YO)))

21
画家ゴーギャンのタヒチ滞在記。紀行文として面白く、タヒチの風俗や神話も魅力的なのだが、一方で、ゴーギャンが如何にヨーロッパ社会での生活に倦み疲れ、絶望していたかがひしひしと伝わってくるようでもあり、ある種、破滅型の私小説のような味わいも感じた。2013/09/04

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