岩波文庫<br> 罪なき罪 〈下〉 - エフィ・ブリースト

岩波文庫
罪なき罪 〈下〉 - エフィ・ブリースト

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  • サイズ 文庫判/ページ数 308p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003246825
  • NDC分類 943
  • Cコード C0197

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

NAO

51
この話は、時代的な配慮からか不義密通の描写がひどくあいまいなうえに、『罪なき罪』という意味深なのによく分からない題のせいで、読んでいてかなりもやもやする。過去の出来事にあまりにも拘泥する夫に、「終わった恋」といいながらも手紙を捨てきれないエフィの態度。そもそも、いくら独身だったからとはいえ、自分の元恋人を娘に勧める母親もどうなんだか。ふわふわした気分だけで結婚してはいけませんというような教訓話なのだとしたら、エフィがあまりにもかわいそうではないだろうか。 2017/06/29

壱萬弐仟縁

4
解説が巻末にあるのが常だが、初版1942年ゆえに独力かネット読解するしかない。岩波のサイトでは老人の温情と叡知をもって日常生活の波瀾不幸を眺め、健全で幸福な社会生活を営むために戒心すべき点を文学的香気高い作品(http://www.iwanami.co.jp/.BOOKS/32/0/324681+.html)。「われわれは幸福でなきやならぬとは限らない」(198ページ)。多くが不幸だと思うので。稀で微かな幸福で満足するしかないな。「社會なしでやつて行くのは、とてもむつかしうございますよ」(276ページ)。2013/01/23

→0!P!

2
夫婦の間に愛がないのではないかと疑い出したエフィは、不義を働いてしまう(よりにもよって相手が一番軽薄な男というのがリアル。) 犬よりも人間の方が畜生なのではないか?エフィだけのせいじゃないのではないか(親の躾の問題)?罪に対する当然のごとく降りかかる罰の重さに疑問を投げかけている。エフィが全てを納得して旅立つところに絶望的に微かな救いがある。2023/08/19

またゆき

2
結婚生活に絶望する妻が悪いのか、配慮できぬ良人が悪いのか……『ボヴァリー婦人』を一として多くの婦人が夢を見、そして破れていくのは世の常だねぇ。ってかあれだよ、嫁の元カレを娘に推すのが悪いんだよ!!2014/03/25

みか

0
テーオドール・フォンターネの代表小説にもかかわらず、訳本は1942年に岩波文庫から出版されたもののみ(2005年に復刊するも2021年現在絶版!)なので中々手に取る機会のない作品です。21世紀の価値観からすると17歳の女性と38歳男性の結婚ってなんだかなぁ、と考えちゃいますが、それを含めて近代ドイツの様々な価値観を感じられる作品です。

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