出版社内容情報
ヨーロッパの代表的な蝶や蛾を題材にして,その美しさ,生態,さらにはそれらにまつわる神話・伝説等を詩情あふれる文体で描いた博物誌(一九二八刊).ドイツの作家シュナック(一八八八―一九七七)が,人生に歓びを与えてくれた蝶や蛾への感謝をささげた書で,蝶の生活を通して,自然の豊かさ,魅力をたっぷりとおしえてくれる.挿絵多数.
内容説明
ヨーロッパの代表的な蝶や蛾を素材に、その美しさ、生態、さらにはそれらにまつわる神話・伝説等を詩情あふれる文章で描いた博物誌。ドイツの作家シュナックが、人生に幸せと喜びを与えてくれた蝶・蛾への感謝をささげるために書いた書物で、蝶の生活を通して、自然の豊かさ、魅力をたっぷり教えてくれる。挿絵多数。
目次
第1の書 蝶
第2の書 蝶物語
第3の書 蛾
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬弐仟縁
9
1928年初出。昨夏、今夏も昔の峠には黒と紺色の蝶を見たが、クルマで近づくので一斉に飛び立ってしまって、シャッターを切れないのがもどかしい。非常に多くの分類、紹介がなされている。確か、蝶というか蛾が嫌いな中学の頃の理科の飯沼先生という人が思い出された。確かに蛾はキモいが。蝶はその文様や形状を美と思えるか、否かで決まるのだろう。どうしても幼虫、蛹の絵がキモいのだろうな。僕もそうだ。ヤマキチョウを著者はレモンと称する(60頁)。キアゲハはお馴染み(79頁)。後半はスケッチの多い蛾。前半だけでいいかもしれない。2013/08/31
アムリタ
8
蝶と蛾を区別する言葉は、ドイツ語には無いそうだ。昼の鱗翅類が蝶、夜の鱗翅類が蛾。彼らの食餌植物も種類によって違い、分布地域も違う。自然界の摂理によって、完璧に棲み分けがされている。雄と雌のはたらきもはっきりと分かれている。それで秩序が保たれているのだ。そう考えると今の人間世界は狂っているのかもしれない。 シュナックと、蝶の温室を持つ蝶博士レアンダー、蝶の絵を描くガラス屋の親方は、美しい蝶蛾にとりつかれた男たちだ。人間は欲望を持つことが生きる原動力になるが蝶蛾は生殖のための一生だ。自身の美しさなど知らず。 2019/08/24
シン
3
愛に溢れている美しい本。「名も知らぬ蝶」が好きだな〜。オリジナルの図版もいつか見てみたい…2019/02/26
cozy
3
もっと蝶の生体が書かれているものだと思った。作者が蝶に対して愛情を持っていることは伝わるけれど、魅力を叙情的に書かれていて、それはそれでまあ面白かったのだけど、生体を知りたくて読み始めたものとしてはコレジャナイ感がすごい・・・・・・それと、世界にはいろんな蝶があるんだなーと思う。親しみのある日本でよく見かける蝶に関しての記述が少ない。当然ではあるんだけど、世界の地域によって親しみのある生き物って結構違うんだなーと思いました。2018/02/18
もなおー
2
種々の蝶・蛾に対する深い愛情と観察を綴った、蝶愛好家によるスケッチ。蝶、蛾のとても詳細なスケッチ(画)が幼虫・成体ともにたくさん散りばめられているので、外ではちょっと読みづらかった。2016/03/26