岩波文庫<br> ウェイクフィールドの牧師―むだばなし

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岩波文庫
ウェイクフィールドの牧師―むだばなし

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  • サイズ 文庫判/ページ数 352p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003221310
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

出版社内容情報

田舎牧師の一家をめぐる物語――炉辺の団欒,甘い恋,好事魔多しでこれをかき乱す偶発的な出来事,ほんのうぬぼれや虚栄がそれに輪をかけて一路破局に陥ってゆき,しかもそれがうまいぐあいに片づくが,その間適度なユーモアと皮肉とを交えて興味をそそる.ゴールドスミス(1728‐1774)が家庭小説という新しいジャンルを開いた作品として注目される.

内容説明

英国の片田舎にすむ牧師一家の物語。誠実善良そのものの田舎牧師が、破産にはじまり、娘が誘拐されたり、火事に遭ったりと、絶えず災難に見舞われるが、屈することなく、大らかに生きてゆく。英国文化の微妙な滋味を教えてくれる愛すべき古典。一七六六年刊。

目次

考え方も容姿も血縁としてそっくりな、ウェイクフィールドの一家のこと。
一家の災難。財産を失うと、かえって有徳の人としての誇りが高まるということ。
移転。人生の幸福は、けっきょく、ほとんど自分の力で手に入れるのである。
どん底の生活でも幸福は得られるもので、それは境遇よりも気質によるという実例。
あらたに身分の高い人を紹介される。われわれがいちばん期待するものは、たいていいちばんの命取りになる。
田舎の炉辺の幸福。
都の才子が語る。どんなまぬけでも、一晩か二晩なら他人をおもしろがらせることができるものだ。
小さな幸運は約束しないが、大きな幸運をもたらすかもしれない恋愛。
身分の高い二人の婦人が登場する。服装が高級だと教養も高そうに見えるようだ。
一家が、自分たちより地位の高い人々と競争しようとする。貧しい者が自分たちを境遇以上に見せかけようとするときの、さまざまなみじめさ。〔ほか〕

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

272
18世紀イギリスのいわば教養小説。1766年の刊行。本書の主人公(物語の語り手でもある)は、学究肌の牧師である。自身の信念に従って6人の子どもたちに恵まれるが、そんな彼の一家を次々に災難が襲い掛かる。破産、火災、投獄、次女の誘拐等々、これでもかというくらいの不幸続きである。もうほとんど荒唐無稽と言ってもいいくらいに。それでも彼は全く屈することなく、神を信じ、人を信じて生きて行く。ある意味で、それは確かに幸せな生き方であるのかもしれない。イギリスの古典的な小説という評価もわからなくはないのだが。2017/06/28

ケイ

119
冒頭の「ロバート・バートン」からの引用、それに続く「作者の言葉」の含蓄のある内容に、期待に胸をふくらませて読んだ。そそっかしさや牧師自身の持つ俗物根性により、物事の本質を見抜けぬために波瀾万丈の家族の流浪となる。しかし、彼の奥底にある感じる力は、常に彼に警告はしていたのだ。後で気付いて改めればいいのだろう。牧師とて人間なのだから。そして、間にしばし挟まれる彼の行う人情溢れる説教の内容に感動した。最後まで腹立たしかったのは、牧師の妻だ。その心の狭さや心根などは、ソーンヒルと変わらなく思えた。母親だろうに。2016/12/12

まふ

118
1776年ゴールドスミスが書いたプリムローズ牧師一家8人の波乱万丈の生活記録。誠実で善良な家長の牧師が6人の子供を育てるうちに財産を投資で無くし零落するのが悲劇の始まりで、長女オリヴィアが略奪婚のように攫われたり様々な事件に巻き込まれる。牧師はその元凶である地主のソーンヒルと対決するが逆に家賃滞納で監獄にぶち込まれる。どうなることかと思ったら、最後はすべてが一気に奇跡のように解決し、読者は留飲を下げる。ジェイン・オースティンの約30年前の一階級下のハンブルな牧師階級の物語である。面白かった。G1000。2023/11/23

のっち♬

59
片田舎に住む牧師一家が、破産、誘拐、火事、投獄など度重なる災難に屈せずに大らかに生きる様が描かれている。穏やかでユーモラスな語り口も相まって心地よい程に荒唐無稽で牧歌的な雰囲気。英国の政体や法律など様々な皮肉・風刺を交えつつ、どんな目に遭っても人も神も信じ続ける牧師の善良さが終盤に急展開と大団円を導く。世俗的な面もある牧師から悪役まで魅力的に描かれ、「無数の欠点があるにもかかわらず面白い」本。「人生の歓びや幸運には、どれをとっても信じられない偶然のおかげの場合が実に多いのだ」押し付けがましさのない無駄話。2018/08/26

NAO

56
プリムローズ牧師一家に次々と降りかかる不幸の中で、牧師の家族とはいっても俗っぽさについつい魅かれてしまう女性たちの中にあって、プリムローズ牧師は必死で慎ましい生活を守り、家族と隣人への愛を貫こうとする。一家揃って俗物的だったとはいえ、度重なる不幸の中でも、腐ることなく正しくあり続けようとしたからこそのこのハッピーエンド。イギリスの美しい田園風景の中、人々の細やかな心の機微がユーモラスに描かれている。勧善懲悪ではあっても説教くさすぎることもない朴訥な雰囲気のこの話を「むだばなし」とする作者のユーモア。2016/11/01

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