出版社内容情報
光太郎の残した数多くの秀抜な評論・随筆から,テーマを彫刻・書・詩の三つにしぼって三○篇余を精選,新たに一書を編んだ.芸術家の自由を宣言した評論「緑色の太陽」をはじめ,これら美に関する散文を貫くのは,実作者のみのもちえる精緻な分析の眼と,語らずにはいられなかった芸術家の熱情である. (解説 北川太一)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬弐仟縁
11
図書館へ行って乏しい原書を大学ノートにびっしり筆写して来て勉強していた時代(28頁)。現代のコピー技術からすると隔世の感がある。岩村透教授は思い出した。私(著者)は一生涯弟子をつくるまいと決心された(42頁)。現代では、鈴木孝夫先生がそういうタイプの研究者であったのを想起した。後継者づくりは難しい。木彫で、蝉を創ったという(71頁写真)。現代のチェーンソーアーティスト城所啓二先生なら、大きい蝉を創ってくれそうだと思った。彫刻10個条(102頁~)。立体感、構造、姿勢、肉合、まるごと、偶然を捨てる、効果。→2014/02/09
Auristela
2
地方色云々のくだりは時代を感じるし、なんだか古い紙を臭ってるような感覚に陥るけど高村光太郎が緑色の太陽というとき、確かに目の前に艶めかしい情景が浮かぶ。これは何とかしてかきとりたいかも。2017/06/12