岩波文庫<br> 仰臥漫録 (改版)

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岩波文庫
仰臥漫録 (改版)

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  • サイズ 文庫判/ページ数 195p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003101353
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0195

出版社内容情報

子規が,死の前年の明治三四年九月から死の直前まで,折々に書きとめた日録.日々三度の食事の献立から病苦と死の恐怖への煩悶に至るまで,病床生活を,俳句,水彩画等を交えて赤裸々に語った稀有な生活記録.読みすすむにつれ,命旦夕に迫る子規の心境が何の誇張も虚飾もなくうかがわれて,深い感動に誘われる. (解説 阿部 昭)

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社トリスタの提供する「読書メーター」によるものです。

壮の字

69
死の前年から「その日」直前までの病床日記。明るさ、辛さ、わがまま、失意...子規そのものがありありと記されている。仰臥(あお向け)⇔伏臥(うつぶせ)。病床の子規は寝返りを打てないため伏臥にもなれず、仰臥のままで書き続ける。それがどれだけ不自然な格好か思うに哀れで胸がつまる。子規の晩年の句に驚くほど糸瓜(へちま)が多いのは、子規庵の糸瓜棚をいつも見あげて暮らしていたからだろう。今年のわが家のグリーンカーテンは糸瓜でゆくぞな。“子規棚”とでも呼びますかなもし。「糸瓜さへ仏になるぞ後るるな(子規)」2016/06/05

syaori

56
子規最晩年の日録。病により寝たきりで食事が「唯一の楽(たのしみ)」というその日々は、食事と服薬、繃帯交換で過ぎてゆくよう。まず、あきれるほどの食事量や、病状だけでなく看護する家人に対する癇癪、不満を露わに綴るのに驚きも感心もするのですが、それが胸を打つのは、この食べ屎をしという日常が、絶えず膿が出て痛む歯茎や繃帯交換の激痛による叫喚などの中で繰り返されていることが見えてくるから。子規はこの記録のなかで、人が生きるということの滑稽さや哀しさを余す所なく見せてくれているようで、最後は厳粛な気持になりました。2019/03/08

naoudo

36
生前は公表されなかった正岡子規の日記。寝たきりで身体に穴があき、ガーゼを剥がす時に皮膚が剥がれ号泣していた。家人が留守の時に、自死を思い立つが、失敗して苦しむ時の事を考えて、断念した。思うように身体を動かす事が出来ず、苦しむ姿は壮絶である。中江兆民には理があって美がない。子規の生においては、俳句、短歌を詠み、絵を描いた。芸術は生を美化する。草花は、いよいよ子規の目の前にその本性を顕す。時には、自分が病気でなかったらと考え、大臣や幼稚園の先生、林業への夢を思い浮かべる。寂しい時に駆けつけてくる友に恵まれた。2016/11/03

TSUBASA

28
脊椎カリエスを煩い、寝返りさえも激痛を発する生き地獄のような正岡子規の生活を綴った日記およびメモ書き。子規はもはや病牀六尺というくらいほんの狭い世界でしか生きられない。その苦しみが読んでいてただただ辛い。それでも「便通 朝飯 粥三椀、佃煮、奈良漬 午飯 冷飯三椀、鰹のさしみ、味噌汁、佃煮、奈良漬、梨一つ、葡萄一房 (中略)便通及繃帯取替 晩飯 粥三椀、泥鰌鍋、キャベツ、ポテトー、奈良漬、梅干、梨一つ」というように驚くほど食べる、出す、書く。これが私が生きた証なのだと言わんばかりに。2016/07/02

金吾

27
子規の強靭な精神力を感じます。死病の病状が進んでいる状態でありながら、透徹した観察眼と赤裸々な本心を書くというのはすさまじいと感じました。かなり旺盛な食欲が衰える様は考えさせられました。2020/09/01

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