岩波文庫<br> 虞美人草 (改版)

個数:
電子版価格
¥726
  • 電書あり

岩波文庫
虞美人草 (改版)

  • ウェブストアに3冊在庫がございます。(2024年04月17日 04時56分現在)
    通常、ご注文翌日~2日後に出荷されます。
  • 出荷予定日とご注意事項
    ※上記を必ずご確認ください

    【ご注意事項】 ※必ずお読みください
    ◆在庫数は刻々と変動しており、ご注文手続き中に減ることもございます。
    ◆在庫数以上の数量をご注文の場合には、超過した分はお取り寄せとなり日数がかかります。入手できないこともございます。
    ◆事情により出荷が遅れる場合がございます。
    ◆お届け日のご指定は承っておりません。
    ◆「帯」はお付けできない場合がございます。
    ◆画像の表紙や帯等は実物とは異なる場合があります。
    ◆特に表記のない限り特典はありません。
    ◆別冊解答などの付属品はお付けできない場合がございます。
  • ●店舗受取サービス(送料無料)もご利用いただけます。
    ご注文ステップ「お届け先情報設定」にてお受け取り店をご指定ください。尚、受取店舗限定の特典はお付けできません。詳細はこちら
  • サイズ 文庫判/ページ数 428p/高さ 15X11cm
  • 商品コード 9784003101056
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

明治四十三年,朝日新聞に入社した漱石が職業作家として書いた第一作.我意と虚栄をつらぬくためには全てを犠牲にして悔ゆることを知らぬ女藤尾に超俗の哲学者甲野,道義の人宗近らを配してこのヒロインの自滅の悲劇を絢爛たる文体で描く.漱石は俳句を一句々々連らねていくように文章に苦心したという. (解説・注 桶谷秀昭)

内容説明

愛されることをのみ要求して愛することを知らず、我執と虚栄にむしばまれ心おごる麗人藤尾の、ついに一切を失って自ら滅びゆくという悲劇的な姿を描く。厳粛な理想主義的精神を強調した長篇小説で、その絢爛たる文体と整然たる劇的構成とが相まって、漱石の文学的地位を決定的にした。明治40年作。

この商品が入っている本棚

1 ~ 3件/全3件

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

藤月はな(灯れ松明の火)

87
美文だが修辞ばかりで語りすぎているので率直な文章が多くなってきた現代人には読むのが辛い。欽吾こと甲野君(藤尾の腹違いの兄)の「楽しみが多いと自殺するからさ」という言葉が印象的。小野君と藤尾が恋愛感情から結婚できたとしてもそれは互いの一時の自尊心を満足させるものでしかない。そういう夫婦はやがて己の不満を互いの所為にし、子供もダシに使って争うようになりがちだ。しかし、彼女も時代が違えば社会で活躍する才女となっていたのに…。それから藤尾みたいな他者を顧みず、自己愛と自尊心のみが高い人は男も増えているのが現実だ2016/09/29

Gotoran

57
大学教授の職をなげうって朝日新聞社に入社し職業作家として初めて書いた新聞連載小説。資産家で外交官の息子甲野欽吾と(美しく才気溢れるも虚栄心が強く近代的な)その妹藤尾。(外交官志望の)甲野の従兄弟の宗近一とその妹糸子。甲野と宗近の学友で秀才の小野と婚約者の(か弱気古風な)小夜子。物語は、3人の男と3人の女の恋愛事情と夫々の心情が綴られながら進んでいく。登場人物各人の性格、心の動き、ちょっとした仕草が精緻に描写されている。その中にも漢語や英文の比喩や引用を窺い知ることができ、漱石らしい美文を再び堪能した。2021/10/22

イプシロン

36
かくかくしかじかのテーマで書きました。その結論はこれですといった体裁をもつ小説は嫌いではない。だがそうした作品はともすると著者の独善であり、著者の言いたいことだけを述べたものとなり、読者に冷たいものだ。昨今では嫌われる傾向にあると言えるか。本作は漱石の作品としては珍しく、そのようなスタイルだ。本作以降、二度とこのようなスタイルを取らなかったというのは理解できる気がするのだ。しかし、私はこの『虞美人草』、嫌いではない。「人が生きるということは、死を意識し、そこから立ち上がってくる道義に生きるべきだ」とか、2022/01/10

yumiha

31
大文豪に言うて悪いが、な~んだ感で読み終えた。「我!」のふりがなが「プライド」には驚く。美しすぎるけれども、そのプライドが強く高慢な藤尾と地味で控えめな糸子。なんだか、昔読んだ少女漫画のキャラのような対比で、結局幸せを掴むのが糸子ちゅうのも、昔の少女漫画的展開だわ。どこかで藤尾のキャラは、平塚らいてふからのイメージだと読んだ記憶がある。西洋化近代化の女性は、漱石にとって眉を顰めるものだったそうだが、ここまで類型的に藤尾を描かんでもええやん。むごい結末にせんでもええやん。小野の翻意も、安易すぎると思った。2017/04/27

ころこ

29
気付くのは、描写における文語調のリズムを頑なに守っている割に、会話文を単調に続けるアンバランスさです。文語には漢文の素読が混じることで更に混迷を深め、会話文には話者が誰だかがほとんど分かりません。ただ、ただ文章の継起性(物事の順番)を追求した試みだとすれば、少しは理解できます。奇数章は甲野と宗近のパート、偶数章は小野と藤尾のパートが重なり合って進行しているのはこの継起性を意識しているようにみえ、文語調の描写の長さも同じ考えによっているのだと分かります。他方で会話文もしゃべったまま、継起性をそのまま書き起こ2020/11/30

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/469254
  • ご注意事項

    ご注意
    リンク先のウェブサイトは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」のページで、紀伊國屋書店のウェブサイトではなく、紀伊國屋書店の管理下にはないものです。
    この告知で掲載しているウェブサイトのアドレスについては、当ページ作成時点のものです。ウェブサイトのアドレスについては廃止や変更されることがあります。
    最新のアドレスについては、お客様ご自身でご確認ください。
    リンク先のウェブサイトについては、「株式会社ブックウォーカー」にご確認ください。