出版社内容情報
スケート大会の1等賞の銀のスケート靴と,記憶をなくしたお父さんが埋めたはずの1000ギルダー.これらのゆくえをめぐって,ハンス.ブリンカーと妹が大活躍する感動的な物語.(改題)
内容説明
スケート大会の1等賞の銀のスケート靴と、記憶をなくしたお父さんが埋めたはずの千ギルダー。これらの行方をめぐって、ハンスとグレーテルの兄妹がオランダを舞台にくり広げる感動的な物語。小学上級以上。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
NAO
78
父親が事故で働けなくなったオランダの貧しい一家の兄妹。貧しくても健気な二人がスケート大会に出場して活躍するエピソード、父親の事故に関するエピソード、父親を診てくれた外科医のエピソードと、三つのエピソードが絡み合って話は進んでいく。冬のオランダの風景、厳しい寒さの中での楽しみが生き生きと描かれ、スケート大会の場面はワクワク。すべてが丸くおさまる大団円で、やさしい気持ちになれる話。2020/01/14
たつや
55
てっきり、フィギュアスケート選手育成のスポ根小説だと思い込んでいたら、全然違ったテヘペロオランダが舞台のブリンカー一家の物語。大会で銀のスケートを手に入れ、記憶のなくなったお父さんが埋めた千ギルダ-を探す。また、当時のオランダの生活風習が、よく描かれており、旅行のシーン等はジブリでアニメ化したら素敵だろうなと思う。ラストもじわつときました。2017/03/13
ぶんこ
52
少年文庫となっていて、そんなに厚い本ではないのに、読むのに時間がかかりました。オランダが海より低い土地の国とは知っていましたが、国民がここまで危機感を持って取り組んでいたとは感嘆しました。また冬になると川も運河も凍ってしまい、そこを大勢の人や犬車(犬!が荷物を引いているのです)や氷船(氷の上を走るヨットにアイススケートをはかしたような船⁉︎)が通ってもビクともしない程寒いとは。ハンスやグレーテルの家が貧乏でぼろ家でも、中はピカピカで綺麗に片付いている。心根の美しさが貧しさを超える。2016/07/13
さゆ
23
途中で放置してしまったけれど、ちゃんと最後まで読みました。石井桃子さんの訳のわりには、少し読みにくい感があったけれど、それは訳のせいではなく原作のせいなんだと思います。というものの、お話自体はとても素敵です。貧しいけれど心は清らかなハンスとグレーテル。そして彼らの回りの人々には善人も、ちょっと意地悪な友達も、偏屈なお医者さんとかもいます。「ハールレムの英雄」のお話は、子どもの頃、教科書で読んだ記憶があります。懐かしかった。2012/01/18
シルク
21
完訳版読んだのは、これが初めてだ。ハンス☆ブリンカー。偕成社のリライト版の解説で、「作者がオランダに旅したとき、本屋さんに行って、『何か、オランダのことがよく分かるガイド本、ちょーだい』って店の親父に言ったら、彼は、『ハンス・ブリンカー』のオランダ語訳を持ってきて、『オランダのことがいちばん分かるってったら、コレやけど』と言ったそうな」…という小ばなしを読んだ。リライト版では、オランダ地誌の部分はごっそり削られてたから、その解説が意味不明だった。あの小ばなしは、この完訳版を読んで、ようやく意味が分かる。→2022/02/09