1冊でわかる
科学哲学

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  • サイズ B6判/ページ数 194,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000268967
  • NDC分類 401
  • Cコード C0310

内容説明

輝かしい成果を挙げ、社会を動かす巨大な力となった「科学」という営み、しかし、科学とは何だろうかと改めて問われたとき、どのように答えたらよいだろうか。本書は、この問いに答えるための基本的な考え方を提示する。科学史上の事例を織り交ぜつつ、科学的方法の特徴といった基礎的問題から、生物学や認知科学など個別科学の基礎にある哲学的問題や、パラダイム論をめぐる論争など、科学哲学の前線をなす重要テーマを、平明かつバランスよく概観する。これから科学に携わろうという人はもちろん、幅広い読者が予備知識なしに読める一冊。

目次

1 科学とは何か
2 科学的推論
3 科学における説明
4 実在論と反実在論
5 科学の変化と科学革命
6 物理学・生物学・心理学における哲学的問題
7 科学とその批判者

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

harass

71
自然科学だけではなく、人文社会科学も含む科学哲学の入門書。推論、ヒュームの帰納法の難問、客観性とは、データと理論の関係とは、ポパーの反証可能性、クーンのパラダイム理論、過去の論議などのトピックが簡潔に語られている。決定的な答えが出てない議論が多いのがもどかしい。個人的にやや難しく感じた箇所があった。用語や概念にもう少し解説が欲しいのと、あまり耳慣れない論議のためか。それでも豊富な例が上げられていて入門には充分。訳者解説にソーカル事件についての意見があり、本文と照らし合わせて個人的に腑に落ちた。良書。2018/01/30

夜長月🌙

56
科学哲学とは何か?科学哲学は科学(物理学、生物学、化学……)者が当たり前の前提としていることを本当に正しいか問い質すことに一つの意味があります。例えば、科学者は再現実験をして同じ結果が得られればそれは正しいこととして認めます。しかしこれは演繹と帰納でいえば帰納的推論でありいつかは反証がでるかもしれません。科学者が演繹的推論である事象や法則を示せれば真に正しいといえますがそれは不可能なのです。2020/11/11

みき

12
クーンのパラダイム論が面白い。自分が、科学的方法論に対して強い信用を持っていて、それ以外の方法は信頼度においては下位に位置する、と考えていたことに気付かされた。クーンの語りは、科学理論のパラダイムは音楽的な流行のようなものの可能性を示唆する。言われてみれば、科学はその性質上社会世相を色濃く反映するものであり、音楽と変わらず文化的なものであり、つまり相対的なものでもあるはず。自分の科学的方法論への信頼も、文化的背景に基づく信仰心のようなものだともいえる、と思った。。2022/08/21

★★★★★

4
これは非常にわかりやすかった。1冊でわかるシリーズは翻訳の方が粒ぞろいでレベル高いかも。あまり関係ないけれど、宗教と科学は本質的に同様の営みであるのに、無邪気な科学至上主義者はまるでそのことに気づいていなかったりしますよね。あれは本当に不思議だ。2012/04/08

サンセット

3
【第1章】ポパーの反証可能性によって科学と非科学に境界線を引く行為は実際の科学の試みに即していない、という主張は『知の欺瞞』にもあった。日常で行う試行錯誤にも科学の考え方っぽいものがある気がするので、そうした前科学的な部分まで含めて科学を定義するのが難しいのだろう。【第2章】ヒュームが言うように帰納法で証明はできないけど、データが増えれば正しい確率が上がるという考え方はいいと思う一方、やはり疑似相関とかが気になる。なぜ命題が成り立つかを(過去の経験と衝突しない理屈で)抑えることなども重要なのだろう。2022/10/25

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