双書現代の哲学
天使の記号学

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  • サイズ B6判/ページ数 243p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000265829
  • NDC分類 132
  • Cコード C0310

出版社内容情報

〈見えるもの〉と〈見えないもの〉の中間に実在があり,〈私〉が語ることの手前にリアルなものがある.西欧中世哲学の思考を参照しながら,身体と関係のリアリティを再生し,現代の悪しき「電子的天使主義」と対決する筋道を探る.

内容説明

天使とは現実の大地を離れて浮遊する精神―バーチャルなリアリティに自足する現代の悪しき「天使主義」と対決するために、中世実在論を手がかりに、リアルなものの再定義を試みる。現代の病を、豊饒な中世的思考の鏡に映す。

目次

序章 リアリティのゆくえ
第1章 天使の言葉
第2章 欲望と快楽の文法
第3章 聖霊とコミュニカビリティ
第4章 肉体の現象学
第5章 「存在」の一義性と媒介の問題
第6章 普遍とリアリティ
第7章 「私」というハビトゥス

著者等紹介

山内志朗[ヤマウチシロウ]
1957年生まれ。専攻、スコラ哲学。東北大学大学院博士課程単位取得。現在、新潟大学人文学部教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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松本直哉

23
死体や汚物が隠されて清潔無垢と錯覚してしまうほどの今は、同時に言葉が身体性を喪った時代ともいえる。声や身振りなどの肉体性は活版印刷とともに損われ、電脳時代の言葉は一層軽やかにリアルタイムで飛翔し、面と向かってとても言えないような言葉が軽々と発せられる。しかし肉体というリアリティを欠いた言葉は、ままならない肉体を抱えたいまここにいる私をついにとらえそこなう。天使のように肉体なしで済ませたいと望むことは同時にこの世的なものへの呪詛でもある。見えるものと見えないもののはざまにある「今ここ」をとらえなおす論考。2019/06/29

マウリツィウス

18
幻想表象仮想論に位置する《天使》はカトリックの齎した偶像と定義するのは明らかな誤りでありスコラの幻でもない。普遍的に導入された御使いはユダヤ教あるいはゾロアスターですらなく創世記到来以前に暫定予兆される。偽典に記録される異形天使群やあの光の天使は仮定義により産みだされたある意味での神話であり一貫した天使像からは事実逸脱している。非実在に本質を宿す生命体は言語という普遍所有において生まれ記号=普遍議論の精神史は語り継がれる。ギリシャ記号は現代思想において継がれ胎動を識る。原始宗教とは幻影の彼方とも称せる。2013/05/06

5
〈本質自体〉は、主語 -述語からなる命題という〈形〉には収まりにくいところがある。しかし、〈本質自体〉が〈形〉と不縁であることは、〈かたち〉を持たないことを意味しない。〈本質自体〉の方が〈形〉を準備するものだ。別の言い方をすれば、普遍とは、述語となることの可能性(praedicabilitas)を語るものであり、個体化の原理とは、主語となる可能性(subicibilitas)を語るものであったのだ。(205ページ)2020/02/18

へんかんへん

1
蜘蛛の糸考えてて7759って短編読んでた2017/09/13

Cell 44

0
途中、スコラ哲学の「概念の森」に難渋する箇所もありつつも、楽しい書物だった。振り返ってみると、第一に存在の豊穣さを説いた本だったという気がする。Aでもなく〜Aでもない、始原にある可能性、その可能性が現実性に至り、具体化したこの私。この短い感想にも四苦八苦せざるを得ないハビトゥスしか身につけていないこの私。と、ここまで書いて、最後の一文に「やっぱり、私は天使主義なのだろうか?」と書いてあった意味が自分なりに掴めた。同時に、天使主義に陥らないで済む悦びを得ることができた。これだけでも良い読書になったと思う。2013/09/05

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