出版社内容情報
小泉内閣に至るまでの戦後政治の流れを,自民党支配の政治システムがさまざまな挑戦を受けて変貌を遂げてゆく過程として捉え,投票行動分析やイデオロギー調査などの手法を駆使して解明した,蒲島政治学の集大成.
内容説明
本書は、戦後政治の流れを自民党支配の政治システムがさまざまな挑戦を受けて変貌を遂げてゆく過程として捉え、その軌跡を実証的なデータから浮き彫りにしようと試みたものである。一九六〇年代以降、保守政権は経済重視の政策をとり、日本は世界に類を見ない経済発展と政治的安定の両立を成し遂げた。一方、有権者は自民党政治の腐敗、行き過ぎをしばしば牽制し、バッファー・プレイヤーと呼ばれる日本独特の投票行動を生み出した。やがて中曽根内閣による新保守主義的改革、八九年の消費税導入などを経て、バブル崩壊後、地方への利益配分によって支えられてきた自民党システムの基盤は崩れ始める。その後も、自民党政権は他党との連立や小泉政権を誕生させることで生き延びるが―。著者の二〇年にわたる投票行動分析、実証研究の壮大な記録。
目次
1 自民党システムの形成(自民党システムの形成―戦後日本の民主化と「支持参加」モデル)
2 田中支配と中曽根政治の時代(田中派圧勝・自民党大敗の構図―一九八三年総選挙;争点、候補者、政党―一九八三年総選挙の分析 ほか)
3 自民党政治の“ゆらぎ”(八九年参院選―自民大敗と社会大勝の構図;自民復調の構図―一九九〇年総選挙 ほか)
4 連立の時代(連立時代の議員と政党;地方の「王国」と都市の反乱―二〇〇〇年総選挙 ほか)
5 自民党システムと小泉政治(小泉評価と二〇〇一年参院選;自民党の公明依存と民主党の「躍進」―二〇〇三年総選挙)
著者等紹介
蒲島郁夫[カバシマイクオ]
1947年熊本県生まれ。1971年ネブラスカ大学入学。ネブラスカ大学農学部卒業後、ハーバード大学大学院博士課程(政治経済学専攻)に入学し1979年Ph.D.を取得。1991年筑波大学社会工学系教授、1997年より現職。東京大学法学部教授
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