グノーシス―古代末期の一宗教の本質と歴史

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  • サイズ A5判/ページ数 460,/高さ 22cm
  • 商品コード 9784000226059
  • NDC分類 198
  • Cコード C3014

出版社内容情報

第一人者による総説グノーシス.古代末期の宗教運動から,マニ教,カタリ派,現存するマンダ教まで,その宗教的思考の本質を,偏りのない視線をもって解説する.神秘思想の系譜と20世紀哲学に残る,独自の世界観の構造とは.

内容説明

古代末期に源を発する、もう一つの宗教運動。その精神が歴史に刻んだ波紋は、遠く現代にもおよんでいる。異端の本質が照らし出す正統の起源とは何か。第一人者の手になる、グノーシス理解のための基本文献。

目次

資料(反異端文献と近代の研究史;「反異端論者」たちと彼らの作品 ほか)
本質と構造(グノーシス主義イデオロギーおよび神話の基本的特質;二元論 ほか)
歴史(史的前提と成立要因―グノーシスの起源の問題;初期の教派と体系 ほか)
展望―変容と影響史

著者等紹介

ルドルフ,クルト[ルドルフ,クルト][Rudolph,Kurt]
1929年、ドレスデンに生まれる。旧東独のライプツィヒ大学で神学・文学の学位を取得。長く、母校の宗教学担当教授の職にあった。1984年、アメリカに転出するが、86年、ベルリンの壁崩壊の3年前にマールブルク大学文学部の招聘を受ける。研究領域および著作は、初期のマンダ教研究を中心として、ナグ・ハマディ文書、マニ教、初期キリスト教、コーラン、一般宗教学理論まで、広範かつ多岐にわたっている

大貫隆[オオヌキタカシ]
1945年生まれ。専攻、新約聖書学・古代キリスト教学。東京大学大学院総合文化研究科教授

入江良平[イリエリョウヘイ]
1950年生まれ。専攻、心理学、特にユング心理学。青森県立保健大学健康科学部教授

筒井賢治[ツツイケンジ]
1965年生まれ。専攻、西洋古典学。東京大学、成城大学非常勤講師
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感想・レビュー

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ヴァルプルギス:Mauricius Muller

4
【グノーシス主義】『新約聖書』文明史到来における古代ユダヤ教中間期報告文書を継承意図に含めずに省略化したグノーシス主題の拡張をマルキオン派グノーシスと明確に規定する。古典主義/新約主義/現代思想、この三境界線の撹乱は『トマス福音書』以降疑惑視された外典福音書主題に直結するもシェイクスピア期に確立された「古典主義」概念に潜切る。アドルフ・フォン・ハルナックに憑依したとも呼べるマルキオン亡霊をカール・バルトは明確遮断した。古典主義の文明史主権支配論を「恣意的」と一蹴したキリストの福音は「福音主義」呼称に返還。2014/01/29

カスタムさん

1
グノーシス主義の教科書的存在。厳密なテキスト分析が続くけど、意外と飽きない。ただ、初めてグノーシスに触れようという者が手に取る本ではない。2015/10/03

belier

1
宗教学の不動の教科書らしい。なのに無味乾燥でない著述だ。眺めてみました程度の読書だが、グノーシスに知的に魅了された。常識を覆してくれる。キリスト教にとって、グノーシスは克服されたのではなく、「翻訳されたグノーシス」という形で依然として影響力を保ち続けたとのこと。キリストと神が「同じ本質」だという理解を最初に表明したのは、グノーシス主義神学者だったそうだ。人間としてのイエスも神としてのキリストもどちらも捨てがたいから、両立させてしまったのが正統派キリスト教ということなのだろうか。2013/07/20

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