出版社内容情報
他人殺ちぇ寝んだらん-他人を痛めつけたら眠れない.戦争の傷跡や基地の悲劇を背負いながらも,豊かな自然に寄り添い生きる沖縄の人びと.復帰以来,その姿を撮りつづけ魅了されてきた著者が綴る沖縄のこころ.
目次
七色の海
海原での出逢い
平和な島
織りロマン
あけずば
ガジュマル
六月の太陽
236095個の石
被害と加害
南十字星〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あきあかね
21
「若夏」ー芽吹いた草木が緑を濃くし、日毎に夏へと向かう時節を表す琉球の古語。「初夏」という言葉とは言い換えられない、どこか清雅な響きを持つ。 この美しい言葉を表題に持つ本書には、音楽のように風に反響するサトウキビ畑の葉ずれの音、満天の星空の中で一際目立つ南十字星の輝き、満月の宵に静かな哀しみをたたえる三線の音など、ゆったりとした南国の時が流れている。 その中で、沖縄戦や基地問題などの話も多く語られる。日本軍に母、妹、弟を斬殺され、その時のことを話すと当時に引き戻されて眠れない夜が続き発熱してしまう⇒2022/04/20
Machida Hiroshi
2
沖縄復帰25周年の1997年に出版されたフォトエッセイ集です。「他人に殺さってん寝んだりーしが、他人殺ちぇ寝んだらん」ウチナーンチュの優しさを表す言葉です。本土の人は沖縄の優しさに甘え過ぎていないでしょうか。美しくて優しくて哀しい読後感が残りました。2014/07/10