出版社内容情報
入門書であると同時に経済学専攻の学生にも役立たせようとする本書は,優れた教科書として版を重ねた.改版に際し,21‐25章が書き改められ,十数年間の変貌著しい内外の経済動向にも,充分目配りされている.
内容説明
本書は、経済の基礎的知識をつなぐ根本的な考え方をきめ細かく追求することを通して、経済学の全容を平易に解明した入門書である。
目次
経済学とは何か
資本主義の基礎概念
資本主義の生産
資本主義の流通
資本主義の分配と運動
金融と財政
国際経済
国民所得と日本経済
現代資本主義の諸問題
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かわうそ
20
資本主義が進行するに従って、労働者の賃金は低下し続ける。なぜなら資本主義は機械化を促進しそれによって労働は単純化され、誰でもできる労働となる。そして、労働者の供給市場が大きくなって当然それに伴って労働者の賃金は下がっていくのだ。資本家は労働者を簡単に取り替えることができ、労働者は資本家よりも弱い立場に置かれる。資本家と労働者は形式的に平等であるが、実際は全く平等的な関係ではなく、資本家優位の関係性である。労働者は死ぬまで資本家の剰余価値を生み出すための奴隷となるというのがマルクス経済学の主張だ。2022/03/15
非日常口
13
佐藤優氏の講座「一からわかる資本論」で勧められた本書は経済学の起こりからの歴史を掴める上に、宇野弘蔵の恐慌論の概略や、為替安=ダンピング、管理通貨と国家独占資本主義、公債とインフレの関係、金本位的に進む兌換紙幣、社会保障が生まれた理由など、かなり幅の広く資本論とその延長研究を読み解くための基本的なワードが分かりやすく書かれている。本書は新自由主義が加速し、ブロック化ないし単純な力の均衡点を国境として見いだすフェーズに入りつつある現在において、資本が本質的にアナーキーであることを知る手がかりになる。2014/04/08
非日常口
12
利子・地代、英の中世の羊毛から17c前半gold smith banker→17c末BOEの設立の重商主義→18c産業資本の再生産の流れ。銀行の株式会社発行株式の引受と利潤の分配、独帝国主義(大政府⚪︎)/英自由主義(小政府⚪︎)の比較、財政による国家動向(税→公債)と軍事費の増加、ダンピング競争から戦争の素地→IMFと世銀、管理できない管理通貨制度。明治の本源的蓄積。世界の農業史。2014/09/05
kaizen@名古屋de朝活読書会
10
先生にとって経済学とはなんだったのでしょうか。先生に、卒業論文を提出したら、「これは経済学ではない」と言われた学生がいるそうです。等価交換原則の双方にとって、交換するものの価値を不等号で表すことによって、交換が社会的価値の増大を表すことができることを示したつもりのものです。社会の仕組みを解明しようとした論文です。経済原論の範囲内の理論が経済学であれば、社会の事象を不等号で議論しようとするのは経済学ではないかもしれません。先生は、厳密な議論がお好きなので、分かりやすい枠組みを主張されているのだと思われます。2019/08/07
Michael S.
0
佐藤優先生オススメ。 古い教科書ですが内容は古くない。2016/10/18