内容説明
一九九〇年代以降の戦争研究の特徴のひとつに、「戦場」研究の大きな進展がある。徴兵・訓練・戦闘・戦傷・戦死・除隊・そして戦後―兵士であることの経験が、さまざまな角度から考察され始めている。第五巻では、「銃後」体験の解明を深めてきた従来の歴史学においては手薄であった「兵士の視点」から、新たな戦争像を描き直す。
目次
1 兵士たちの戦争(皇軍兵士の誕生;兵士たちの日中戦争 ほか)
2 戦場と戦闘(中国戦線における非正規戦の諸相;アメリカとの遭遇―陸海空戦のガダルカナル ほか)
3 戦争犯罪とは何か(南京残虐事件―原因論の考察;治安戦の思想と技術 ほか)
4 戦後の「戦場」(特攻隊表象論;起源としての「原爆」―リトルボーイの戦後 ほか)