内容説明
住基ネットは、国民総背番号制度は、人間を人間でなくしてしまうものなのだ。八百長でしかない判決が導かれた裁判に、まるで意味がなかったということではない。当初の裁判長のお陰で、原告として発言する機会をつごう三度も得ることができた。このブックレットは、それぞれの際に東京地裁民事第二五部に提出した書面をまとめたものである。訂正は最低限にとどめて、ドキュメンタリーとしての記録性を重視した。
目次
1 住基ネット取材で見えてきたこと―第一回口頭弁論 訴えにあたって
2 住基ネットと管理・監視社会―陳述書
3 安心を求め続ける社会のゆくえ―結審にあたって
著者等紹介
斎藤貴男[サイトウタカオ]
1958年東京生まれ。早稲田大学商学部卒業。イギリス・バーミンガム大学大学院修了(国際学MA)。日本工業新聞記者、週刊文春記者などを経て、フリージャーナリスト(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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壱萬弐仟縁
4
内閣府マイナンバー(以下MN)制度の前史。2003年の田中知事だった時長野県は住基ネットの安全性に問題があるとテストして指摘(表紙裏の年表)。プライバシー、個人情報保護をいかに確保するかの問題。違憲の問題(8頁)。ICカードにこだわるのはMN制度に継承されているのだ。人間の尊厳や自由をも奪うという(16頁)。警察権力等の機関が犯人特定を容易にするのだろうな。テロの恐怖と超監視社会(61頁~)。こうした問題意識をもって、これからMN制度の本を若干検討してみたい。ちなみに、評者は昨年4月説明会に出席している。2013/03/04