岩波ブックレット
科学と社会―科学者の社会的責任

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  • サイズ A5判/ページ数 78p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784000093224
  • NDC分類 404
  • Cコード C0336

出版社内容情報

「科学」が人類の歴史で果たしてきた役割は,19世紀半ば以降顕著なものがあった.しかし,技術と一体化した科学が,社会現象に多面的なインパクトを与えている現在,人間本性の情操面は弱体化させられているのではないか.

目次

第1章 科学の成果
第2章 「社会」から「科学」へ―外生要因の影響
第3章 科学の新しい成果―そのプラスとマイナス
第4章 「科学」から「社会」へ―科学技術の能動的作用
第5章 「科学」への期待

著者等紹介

都留重人[ツルシゲト]
1912年東京生まれ。ハーヴァード大学で経済学博士号取得。47年経済安定本部次官。48年東京商科大学教授。72年‐75年一橋大学学長。のち朝日新聞論説顧問、明治学院大学教授を歴任。現在、日本学士院会員
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

シロクマとーちゃん

4
ガチの経済学者がみた科学と社会の関係。多くの科学者は自身の発明について対価を求めないことを是とした(ペニシリンを発見したフレミングは一切儲けていないらしい)し、また、要求したとしても、正当な額がどれだけであるかの基準を設けることは難しい。科学技術が進歩すると、生産の効率はもはや労働に比例しなくなり、資本の質に依存するようになる。マルクスが既にこのことを指摘していたとか。科学者の社会的責任ということについてはMAGEモデルというものを紹介している。2016/08/30

Phai

4
イギリスで社会的に求められる科学者像としてMAGEというものが掲げられているようです。これは、Mediative Autonomous Generalist Eliteの頭文字であり、隣接分野間の媒介をしつつ、主体的に専門分野の追求を行いつつ、自身の研究分野の社会における位置づけを理解するための広い見識を持った、優れた人たち、という意味のようです。2016/08/26

壱萬弐仟縁

0
『市場には心がない』の著者でもある都留先生は、池上先生と同様、ラスキンの理論を高く評価している。即ち、「この最後のものにも汝と等しく」の思想だが、『誰とても、差別しない』がUnto This Last の邦訳として的確だ、とされている(46ページ)。この解釈は、社会正義が今日の格差社会で通用しにくいがために、より、説得力をもっていると思われた。最低賃金制度の確立を示すものだからである(47ページ)。さらに「生命こそが、この世の宝」がThere is no Wealth but Life.の邦訳で共感した。2012/08/31

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