出版社内容情報
初学者にとってつかみにくい物理の「カンどころ」を伝える,物理学の入門シリーズ.明快な解説で定評のある著者が全巻を書き下ろします.普通の教科書には見られない学習のコツやポイントを満載しました.
内容説明
力学というと、ひょっとして「中学や高校で教わってきたけど、あんなの暗記科目じゃないか」などと思ってはいませんか?そうだとしたら、それは大きな間違いです。覚えてなくてはいけない“公式”なんて、そもそも全然ないのですから、目の前の現象を、ひとつの原理のもとによく見て考える。力学の基本は実を言うと、たったこれだけなのです。本書はそのコツとポイントをお教えします。
目次
1 天動説と地動説
2 運動の法則
3 粒子の簡単な運動
4 万有引力
5 エネルギー保存則
6 角運動量保存則
7 多粒子系の力学
8 連続体の力学
9 解析力学の考え方
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
M66
2
大学でお世話になったシリーズ。物理学の参考書のなかでは珍しく、数式よりも日本語の分量が多いことに感涙。まずはくだくだしい位に日本語で説明してから、数式へ。既に物理学のアタマができている人には冗長に感じられるであろうその部分が、非常に有難かった。今でもときどき読む。
とむ
1
入門者向けの本である。が、力学を一度は終えた人も読んでみるとよい。いろいろと気づかされる点も多く、かつ今一度力学に気楽に触れる機会にもなる。回転に関する事項については、角運動量と外積等はあるが、剛体を扱わないので慣性モーメントなどは盛り込まれていない。コリオリ力はない。解析力学のさわりはある。あと、波動方程式や分散関係などもある。こちらも結構おもしろい。体系的に力学をまとめたものではなく、これから学ぶ人たちへのデモンストレーション的な雰囲気であり、筆者が本当に言いたいことを扱えてていいのではなかろうか。2015/10/20
コウヘイ
0
他の力学の本と違って数学の解説がほとんどないので、読み物としてはおもしろいが、これだけで、力学を学ぶの難しいと思う。2016/12/20
眠り兎
0
一応ひと通りは読んだが、所々よくわからない箇所はあった。特に、最後の二章(連続体の力学、解析力学の考え方)は不明点が多い。2015/05/02
まつけん
0
まえがきの前に 「大学初年級の読者を念頭において、物理学の本当の姿をかみくだいて説明し、物理のものの考え方を身につけてもらうように努力したつもりです。」とあります。入門書という感じではありませんが、力学の考え方を題材を選びながら丁寧に説明されていると思います。解析力学の説明は簡潔ですが、要点が掴めた気がします。同じ著者の『物理学要論』を参照しながら読み進めました。同書は本書と内容的に補い合う部分も多いですが、解答の詳しい同じ問題も数題あります。演習問題の計算でつまずいたときに2題ほど同書で解決しました。2020/06/14