出版社内容情報
南イングランドの片田舎に隠栖して独り古典と田園の世界に心豊かに生きる一人物の自伝に仮託して書かれたギッシング(一八七五―一九〇三)最晩年の作.繊美この上ない自然描写は英国人ならざる我々をも魅してやまぬが,何よりも我々の心をうつのはこの作のすみずみにまで行きわたる,自分というものに対する強靭な誠実さである.
内容説明
南イングランドの片田舎に隠栖して独り古典と田園の世界に心豊かに生きる一人物の自伝に仮託して書かれたギッシング最晩年の作。繊美この上ない自然描写は英国人ならざる我々をも魅してやまぬが、何よりも我々の心をうつのはこの作のすみずみにまで行きわたる、自分というものに対する強靱な誠実さである。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
讃壽鐵朗
3
解説にあるように、ギッシングは決してこのヘンリ・ライクロフトの私記にあるような生活を送っていたのではなかった。彼のような生活を熱望しつつ書いてそのすぐ後に死んだことを思うと悲哀感ばかりである。 2016/10/21
non
1
22-132:934。およそ120年前の作。その頃から、変わりゆく国を嘆く。時代ごとにライクロフトがいたなら何を思うか。入りは旧友の終身年金により理想の悠々自適生活で、そのきらめきを求めたが、小難しい思索多し。愛国(英)心強し2022/08/13
讃壽鐵朗
1
これからも、心の萎えたときに読むべき本2014/10/24
ゆっくり考える
0
平井さんは、1953-4年に、開文社の叢書に対訳を出版しましたが、その和文を再編集したものが、この本です。今回、全文翻訳を試みましたが、一番、役に立ったのか、この本でした。2017/07/28