現代物理学叢書
電子相関

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  • サイズ A5判/ページ数 216p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784000067492
  • NDC分類 427.1
  • Cコード C3342

出版社内容情報

相関の強い金属電子を記述するフェルミ液体論は,ラッティンジャーらによって微視的に基礎づけられ,その後さらに発展をとげた.フェルミ液体の豊かな内容を紹介することを中心に,強相関電子系の物理を記述する.

内容説明

金属中の電子はCoulomb相互作用のため、互いに避けあって運動する。このように、電子が互いに相関をもって運動することを電子相関と呼んでいる。一般に、相関の強い金属電子の正常状態はLandauのFermi液体論によって記述できる。このFermi液体論はLuttingerらによって微視的に基礎付けられ、最近の磁性希薄合金・重い電子系、銅酸化物高温超伝導体・有機導体、絶縁相に近い金属などの研究を通じて具体化され、豊かな物理的内容をもつことが明らかにされてきた。本書ではバンド計算のような1体近似では見られない金属電子の多体効果を紹介する。岩波講座としての第2次刊行に際して補章を設け、相関の強い系の超伝導に対する基本的な考え方を提示した。

目次

1 Fermi気体
2 Fermi液体論
3 Andersonの直交定理
4 s‐dハミルトニアンと近藤効果
5 Andersonハミルトニアン
6 Hubbardハミルトニアン
7 相関の強い電子系のFermi液体論
補章 相関の強い電子系における最近の進歩