出版社内容情報
オウム事件，金融スキャンダル，批判精神の衰退，日米軍事同盟の強化―未来を見つめる時，現在明るい材料はあまり見つからない．しかし，実際主義におちいってはならない．人間としての選択がいまこそ求められている．
感想・レビュー
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かめすけ
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96年初版。阪神淡路大震災、サリン事件、沖縄沖縄米兵少女暴行事件などを1年のうちに経験した直後の、ビッグネームである加藤周一の著書。バブル崩壊後の経済低迷をはじめとする停滞する日本に対し何が求められるかを示す。精神的な支柱の不在と実践社会＝消費社会の台頭は、アジアに対する戦後責任を放棄しアメリカ追従外交をとる日本の表裏一体の姿である。冷戦時代の神話の登場人物がソ連から中国へシフトしているだけで(2024年の現在はまた状況は異なるが)、脅威に対する神話構造を崩すことにより異なる視線を向けることができる。2024/03/08
