出版社内容情報
闇を行くパイロットは瞑想し,時に星と対話する.地中海洋上に消え去るまで思念を深く巡らせた,ユニークな行動する文学者サン=テグジュペリ.全作品からの引用を自在に交えて,余すところなく論じた名著である.
内容説明
星辰は頭上に広がり、眼下の大地には親しい灯が点在する。この文明社会に人間の絆をどう創成するか、その結び目はどこにあるのか。中空の闇をゆくパイロットは、しばし瞑想し、ときに星と対話する。『夜間飛行』『人間の大地』『戦う操縦士』と書き継いだこの『星の王子さま』の作家は、地中海洋上に消え去るまで思念を深くめぐらした。このユニークな行動する文学者の世界を、その全作品からの引用を自在に交えて、あますところなく論じた。本書は、サン=テグジュペリの文学を語るとき、逸することのできぬ定評ある古典的名著である。
目次
他の人たちによる、アントワーヌ、トニオ、サン=テックス
子どもの王子さまから大人の族長へ
イカロスの逆説
5つの中継基地
人間の関係
生成してゆく人間
事物の結び目
文明、人間の帝国
砂と城砦と黒い花崗岩
バベルの塔に抗して
死がおのれ自身に変えたままの姿で