ベスト新書<br> アルファ碁はなぜ人間に勝てたのか

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ベスト新書
アルファ碁はなぜ人間に勝てたのか

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  • サイズ 新書判/ページ数 221p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784584125304
  • NDC分類 007.1
  • Cコード C0204

出版社内容情報

「囲碁界の魔王」イ・セドル九段が、人工知能の「アルファ碁」に敗れた。もはや、人間は機械に敵わないのか?迫真の人工知能論。

内容説明

人間とは違う「思考」で戦うモンスター。2016年3月、世界中の囲碁ファンが世紀の対決に息を呑んだ。グーグル・ディープマインド社が開発したアルファ碁が、韓国のイ・セドル九段と五番勝負を戦い、アルファ碁が4勝1敗で勝利した。将棋と違い、盤面の広い囲碁では、機械が人間を負かす日は遠い将来のように言われていたが、驚くべき進歩を遂げていたのだ。なぜアルファ碁は人間に勝てたのか?人間に再逆転の可能性はあるのか。それとも、このまま人間の敗北は決定し、ついには人工知能が世界を支配する日も遠くはないのだろうか。

目次

プロローグ アルファ碁の衝撃
第1章 AIとゲーム
第2章 囲碁プログラムの変遷
第3章 新しい囲碁プログラムの潮流
第4章 アルファ碁の仕組み
第5章 新しいAIの可能性
第6章 人類社会へのAIのインパクト

著者等紹介

斉藤康己[サイトウヤスキ]
工学博士。1953年、山梨県生まれ。東京大学、エセックス大学卒業後、NTT基礎研究所にて囲碁の認知科学的研究などを行う。NTT OCN事業部を経て、現職は京都大学情報環境機構教授。専門は人工知能、認知科学、インターネットやセキュリティなど(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

活字スキー

20
人間界最強の棋士がAIに呆気なくひねられてしまったという今年(2016年)3月のニュースは、囲碁も将棋もやらないけどSFはそれなりに嗜む人間としてはなかなかのインパクトだった。チェッカーのように既に「解かれた」ゲームと違い、スパコンをフル稼働させても全局面の解析は(当面)不可能とされる囲碁で人間を越えるAIはいかにして産み出されたのか。そもそもAIとは、人の思考とはどのようなものか。2016/11/23

izw

14
昨日発売された新刊を買ってから、移動中ずうっと読んでいた。著者は「囲碁の認知科学的研究」という学位論文を書いた認知科学の研究者。3月に韓国人棋士イ・セドル九段を4勝1敗で破ったアルファ碁の仕組みを簡潔にわかり易く概説している。使っている技術の歴史が概略も深みに陥らずに説明されていて非常にわかり易い。アルファ碁は囲碁の実力はすごいが、汎用AIとは程遠いということがよく分かる。AIが人間を乗り越える領域がたくさんあるが、AIが人間を超える議論は杞憂、と非常に冷静に最近の危機感をあおる風潮を批判している。2016/10/09

スプリント

6
将棋のときもそうでしたが囲碁でもコンピュータが人間を凌駕するようになったことに驚きです。アルゴリズムの進歩にハードウェアがついてこられるようになったのが大きいようです。2017/04/23

makio37

4
書名の問いへの回答は、①深層畳み込みニューラルネットとモンテカルロ木探索(ランダムに遷移しながら最適解を探索)の組み合わせ、②圧倒的なマシンパワー、③2つのニューラルネットの精度の良さ、とのこと。③は大量の棋譜データによる学習で有望な候補手を選択できる「ポリシーネットワーク」と、各局面の最終的な勝率を学習した「ヴァリューネットワーク」。アルファ碁の強さの理由を知る一方で、戦略や目標がなく有望な「次の一手」を導き出すだけ、というその限界も知れた。「畳み込み~」をもう少し詳しく知りたい。2017/04/29

トマス

4
囲碁の名人イ・セドル九段を破って話題になったアルファ碁。加速がついたかに思える第3次AIブームに対して、アルファ碁に何ができて何ができないのかを冷静に考察する。全ての手を網羅することは不可能な19路盤でコンピュータにできるのは、ランダム試行を繰り返すモンテカルロ木探索と、大量の棋譜を搭載したニューラルネットワーク。人間のように「考える」ことはしていないのに人間に勝てたというのが重要なポイントだ。AIに対して極端な楽観・悲観で臨むのでなく、人間・AIそれぞれの得意分野を活かしていくべきという主張に共感した。2016/10/25

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