イスラームのアダム - 人間をめぐるイスラーム神秘主義の源流

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イスラームのアダム - 人間をめぐるイスラーム神秘主義の源流

  • 著者名:澤井真【著】
  • 価格 ¥4,950(本体¥4,500)
  • 慶應義塾大学出版会(2021/03発売)
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  • ISBN:9784766427127

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内容説明

▼最初に創造された人、アダムをめぐるイスラームの〈人間探究〉の系譜を辿る。

ユダヤ・キリスト教にも共通し、イスラームでは神に創造された「最初の人間」であるだけでなく、「最初の預言者」として重要な存在である「アダム」。イスラーム神秘主義者、スーフィーたちは、アダムを人間存在の原型・理想として把捉し、「人間とは何か?」という実存的な問いを解明しようとした。これまで顧みられなかったイスラームの「アダム」に「人間学」の視点から迫る、画期的な研究。

目次

序 宗教研究とイスラーム神秘主義
一 宗教学はいかにイスラームを理解してきたか
二 宗教学はイスラームをいかに理解すべきか
三 スーフィズムからイスラーム神秘主義へ──人間性の探求
四 イスラーム神秘主義における人間探求と「体験主義」
五 アダムからみた人間

  第Ⅰ部 クルアーンの内的な意味を求めて──アダム神話とその解釈学的想像力

 第一章 解釈学的想像力の場としてのアダム
一 アダム神話のコンテクスト
二 クルアーンにおけるアダム神話
三 ハディースにおけるイスラーム人間論

 第二章 アダム神話の追体験──「原初の契約」における始源への帰還
一 イスラーム神秘主義における神的合一の表象
二 自己の消滅と神との存続
三 「無始の永遠」への回帰体験とアダム神話
四 選良の一性と「原初の契約」

 第三章 イスラームの死生観と人間
一 「原初の契約」における神と人間──創造から終末まで
二 タバリ―のクルアーン解釈における人間
三 人間の生と死に関する五つの解釈

 第四章 名を与えられたアダム──生と死のはざまで
一 アダムに授けられた名前──イスラー思想における神名論
二 クシャイリーの神秘主義における神名論
三 『美麗なる神名注釈』における「生を与える者」と「死を与える者」
四 『神の徴しの精巧さ』における生と死

  第Ⅱ部 アダムにならいて──イスラーム神秘主義哲学における人間

 第五章 イブン・アラビー学派における存在的流出論の展開
一 存在の開けと「自己顕現タジャッリー」概念
二 初期スーフィーたちの「タジャッリー」概念
三 イブン・アラビーの「タジャッリー」概念
四 カーシャーニーの「タジャッリー」概念
五 『霊感の徒が示唆するところを知らしめる精妙さ』における存在顕現論

 第六章 霊的権威カリフとしての完全人間
一 『叡智の台座』における霊的権威カリフの位置
二 霊的権威カリフとしての人間アダム
三 完全人間論におけるムハンマドの形而上学的基礎づけ
四 聖者性と人間完成への道──預言者の継承者たち
五 カイサリーの完全人間論におけるカリフ
六 霊的権威カリフとしての聖者

 第七章 絶対存在から人間へ──神名の体現者としてのアダム
一 神名の臨在における「アッラー」
二 存在の開けにおける慈悲
三 存在の地平における神と人間
四 完全人間としてのアダムと神名の臨在

 第八章 完全人間論の展開──アダムをめぐる神秘主義的人間学
一 男/女の解消とイスラーム神秘主義
二 イブン・アラビーの人間観──完全人間という理念型
三 完全人間の存在論的顕れ
四 ムハンマドとアダム──最初の完全人間
五 人間を創り変える──アダムとイヴのあいだ




あとがき
主要参考文献

人名・著作名索引

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Go Extreme

2
クルアーンの内的な意味を求めてーアダム神話とその解釈学的想像力:解釈学的想像力の場としてのアダム アダム神話の追体験ー原初の契約における始原への帰還 イスラームの死生観と人間 名を与えられたアダムー生徒死のはざまで アダムにならいてーイスラーム神秘主義哲学における人間:イブン・アラビー学派における存在的流出論の展開 霊的権威としての完全人間 絶対存在から人間へー神名の体現者としてのアダム 完全人間論の展開ーアダムをめぐる神秘主義的人間学 2021/03/02

ヨシツネ

0
マザーリム法廷でのクローンについての裁判という色々アレなやる夫スレをどうにかして勝ちたいので読んだ 完全人間説も同じスレ作者が出しているが確かに当時のスレにははっきり言及していた読者はおらず「アダム神話」からも切り込めた筈という後の祭り確かムゥタズィラ派だからそこらへんも物体的構成物による生と死二元論もやれた2021/04/02

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