内容説明
▼「日本における哲学の父」西周の著作のうち、哲学に関する文章を現代語訳で紹介。
▼収録された6つの論考から、言語や文体をめぐる西の知的格闘のドラマが浮かび上がってくる。
“philosophy”の訳語に「哲学」をあてたことや、日本最初の近代的学術団体・明六社の中心人物として知られる明治期の思想家・西周(にしあまね、1829~97)。
本書は、“philosophy”を「哲学」と訳した最初の文献である「百一新論」、根を同じくする政治と宗教とが西欧においてどのように分かれていったのかを説く「教門論」など、先駆的かつ現在にも通じる著作を、読みやすい日本語で現代によみがえらせる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Ohe Hiroyuki
1
百一新論などで知られる西周の作品を現代語訳(口語訳)したものである。▼単に逐語訳ではなく、編者が解題を行い、かつ現代の言葉遣いに改めており、親切な作品で読みやすい。▼孔子だろうとキリスト教だろうとイスラームだろうと全ての教えは一致するという「百教一致」の看板を掲げ、西周は言論を展開していく▼西周が「百教一致」を掲げることもなるほど納得できる。現代こそ彼と同じ目線を「歴史」としてみることはできるが、同時代人として彼と同じ目線に立つのは容易なことではない。▼今、私達が次の道を考えるにあたっては有益な本である。2022/06/26