歴史は実験できるのか 

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歴史は実験できるのか 

  • ISBN:9784766425192

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内容説明

歴史学や経済学は実験を行うことができなかったが、近年、計量・統計分析が洗練され、ラボ実験やフィールド実験が盛んに行われるようになってきた。さらにまったくコントロールされない現実の対象を分析するための自然実験も行われるようになってきた。
 本書は、歴史学、考古学、経済学、経済史、地理学、政治学など幅広い専門家たちが、それぞれのテーマでの比較史、自然実験で分析した論文を集めたものである。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

starbro

142
ジャレド・ダイアモンドは、新作中心に読んでいる作家です。実験というよりも過去における類似事象の考察といった感じでした。オススメは、やはりジャレド・ダイアモンドの『ひとつの島はなぜ豊かな国と貧しい国にわかれたか-島の中と島と島の間の比較-』です。20世紀の壮大な実験、中国の一人っ子政策の末路を著者に分析して欲しいなぁ!2018/07/20

キムチ27

60
歴史の科学的実証実験を行い プレゼンが非常に面白かった。居ながらにして、個人的レベルを凌駕する知の理解は僥倖。一人の学者が人生全てを捧げた途を異なる視点より眺める、経験・洞察の応用により更なるアドバンテージが入手 巻末一文が言い得ている。学際的という語が面白い。取り上げられた7つのスタディは概括的にしか知らなかっものもあり、興味の濃淡は読書スピードと比例した。ポリネシアのケース中で「イースター島:人工激減/政治組織分解⇒先見の明なしに巨大石像の制作、配列という無駄な行動の常習」と有ったのは失礼だが笑った2022/03/12

BLACK無糖好き

22
原著は2010年刊。歴史学に自然実験をもっと取り入れるべきなのかどうかという議論に対する一つの取り組み。いくつかの歴史事象のケーススタディを元に、ナラティブなアプローチと統計分析に基づいた定量的研究を試みている。ニ変量相関などの専門的な統計手法も出てくるが、「方法論」と「本質論」を頭の中で整理しながら読み進めた事もあり些か混乱した。◇歴史学も過去の様々なデータを大量に取り込めば、AIを駆使して色々な分析や実験も可能になるのかもしれないが、果たしてそれだけでいいのかとの疑問も残る。2018/07/24

中島直人

15
自然実験という学問的なアプローチに関する試論といったところか。知的なトレーニングになるし、実際の歴史的な事象に当てはめて見ることで、その有用性は伝わってくる。が、読んでいて、あまり面白くはない。個々の事象について、より突っ込んだ深い分析を読んでみたい。2019/01/22

さとうしん

13
本書で用いられている「自然実験」とは自然科学での操作的実験とは異なり、類似した条件設定をもつ過去の事象を比較する研究法で、社会科学の分野ではよく用いられているとのこと。俎上に挙げられているのは人類学的な題材ばかりなのかと思いきや、第7章のフランス革命の拡大やナポレオンの侵略がドイツ各地の都市化や経済成長に与えた影響のようなテーマも含まれている。本書の論考は試論的な性質が強いが、ほかの題材ではどのようなアプローチが可能か考えさせるようなものになっている。2018/06/18

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