内容説明
戦時中、政府のプロパガンダを国民にわかりやすくアピールする目的で、昭和13年2月から20年7月まで発行されていた国策グラフ雑誌 『写真週報』。当時掲載された350点を超える画像を紹介しつつ、「食糧」「健康増進」「戦局報道」等テーマ別のアプローチにより、そこから読みとれる当時の政策、国民の生活や意識を立体的に描き出す。
上巻では、『写真週報』の創刊事情をまず詳述し、食糧や物資の徴用、労務動員など、モノから人へと広がった動員に『写真週報』が果たした役割と、国民生活の変容の実態を明らかにする。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミカド
3
戦時中の国民へのプロパガンダとして利用された国策誌『写真週報』。戦争が始まったばかりのころは国民への啓蒙は緩やかであったが、戦争が進んだ昭和18年以降は政府の銃後に対する期待は国民たちが受容できる範囲をはるかに超えていたように思われる。そのような状況について本書は実際に記載された350もの記事を画像として紹介している。さらにそこからは、戦況が悪化していても、その部分を強調せず前向きに取り組むことを意識させることに主眼が置かれており、政府も必死にこの状況を打開しようとしていたことが読み取れる。2019/08/11
takao
1
ふむ2023/07/06