楽天の日々

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  • サイズ 46判/ページ数 397p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784908059735
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0095

内容説明

恐怖が実相であり、平穏は有難い仮象にすぎない。現代日本最高峰の作家による、百余篇収録の最新エッセイ集。短篇小説「平成紀行」を併録。

目次

1(夜の楽しみ;達意ということ ほか)
2(作品の前後のこと―『雪の下の蟹―男たちの円居』;短篇を求める心―『水』 ほか)
3(埋もれた歳月;顎の形 ほか)
4(プラハ;平成紀行)

著者等紹介

古井由吉[フルイヨシキチ]
1937年東京生まれ。68年処女作「木曜日に」発表。71年「杳子」で芥川賞、80年『栖』で日本文学大賞、83年『槿』で谷崎潤一郎賞、87年「中山坂」で川端康成文学賞、90年『仮往生伝試文』で読売文学賞、97年『白髪の唄』で毎日芸術賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

抹茶モナカ

25
古井由吉の初老に突入した頃からの、比較的短いエッセイを集めた本。病気や、老いについての筆致が、共感出来たり、自分の母親の様子と重なったりして、興味深く読めた。自分も眼から老いて来ているので、眼の病気の話題は他人事ではないのもあり。いろいろ勉強になる本。2017/08/14

踊る猫

23
この著者は世相をよく見ているな、と思わされる。つまり、意外なところで社会派なところがあると言うべきか。それは小説の中にさり気なくバブル景気やそれ以降を混ぜ込んでいるところから見えることでもあるけれど、エッセイでは現実に着地した視点から語られるせいかこの作家の「捉える視点」がうまく出ているように思う。それにしても、古井由吉はどうしてこうも「老い」を書くのか。フレッシュに生きることを謳歌するエッセイではなく、自身の衰えや枯淡の境地を一心に書き込み続けているそのブレなさに改めて畏敬の念を覚える。凄まじい書き手だ2021/01/31

踊る猫

23
なかなか評価が難しい。古井由吉は偉大な作家であることは疑わないが、このエッセイ集ではその凄味の片鱗しか見せられておらず、『魂の日』『神秘の人びと』のような凄まじいテクストと比べると「手遊び」の域を出られていないように思われる。とはいえ、ところどころ目が笑っていないような迫力を感じさせる箇所もあり侮れない。このシリアスな中の笑い、あるいはユーモアの中の気迫こそがこの作家の真骨頂なのか。古井由吉を知りたい方にとっては入門書とはなるだろうが、コアなファンには物足りない一冊なのかもしれない。そこが剣呑、である……2018/09/11

nabe2511

9
友達に進められて観た-本の装幀者・菊池信義さんのドキュメンタリー映画「つつんで、ひらいて」の作中に登場した作家さんということで図書館予約。古井由吉さん初読みです。こんなご縁がなければ絶対手を出さないジャンルの作家さん。随筆集のため逆にとらえどころがなくなんとか読み進めていると「読書は釣りのようなもので捕れなかった魚は海の底で育っていく、揚げられないことになってもそれでいい。読んでわかったばかりが、読む面白さでない」至極名言!出会えてよかった🤗。2020/02/12

hirayama46

5
古井由吉が平成時代にあちこちの雑誌に書いた短めの随筆や旅行記などを収録した本で、30年近い月日を行ったり来たりしていても古井由吉は明瞭だな、と感じました。平成に入ったばかりの文章では若々しい部分も散見されて、なるほど、と思いました。昭和期のエッセイでは『日や月や』あたりを読んでみたいですね。2022/05/18

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