リクと白の王国

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 239p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784908059247
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

宇都宮から福島へ転校した小学校5年生の少年リク。引っ越した町には、人影がなかった。道路にも、校庭にも誰もいない。外で遊びたい。思いっきり自転車でかっ飛ばしたい。そんなリクが白の王国で出会ったのは、リクを対等な人間として扱ってくれる優しい大人たち、山で生きる野生の動物、そして謎の少年…。未来への光と希望に満ちた、少年リクの勇気と成長の物語。

著者等紹介

田口ランディ[タグチランディ]
1959年、東京生まれ。作家。2000年に長編小説『コンセント』を発表、たちまちベストセラーとなり、衝撃的なデビューを飾る。以来、人間の心の問題や宗教、原発、原爆といった問題まで、幅広い執筆活動を展開する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

mocha

108
小学5年生のリクは、父の仕事(医師)で震災2ヶ月後の福島へ転校する。被災地での暮らしは〈外〉の目を持つ少年にはどう写ったか。「大丈夫だ」という父にも「危ない」という叔母にも欺瞞を感じるリク。次第に心を閉ざしていくリクを救ったのは、体験学習に訪れた北海道の人びとだった。「ふくしまキッズプロジェクト」からの依頼で書かれた作品。ファンタジー要素は要らなかったかも、と思わないでもないが、子どもの心に寄り添う描写が細やかで、もう一度思いを新たにできた。たくさんの子ども達に読んでほしい。2017/02/25

nyanco

72
久しぶりのランディさん。以前は良く読んだのですが、スピリチュアルな傾向が強くなりすぎて、少し離れていました。そのランディさんが子供の視点で描いた3.11。3.11ものが実は苦手なのですが、本作はとても良かった。原発が悪いとか、被災した人たちが可哀想、という描き方ではなく、リクの素直な気持ちを描いたのが好ましい。医師である父と一緒に福島に転校したリク。福島から人が離れていく中、反対に宇都宮から福島に。 反対する叔母の言葉をはねのけ、父と共に引っ越したリク。続→ 2015/12/30

ぽろん

24
3.11の二か月後に宇都宮から福島に引っ越した少年リクの物語。折しも、宇都宮の小学校から基準値を大きく越えるセシウムがたけのこ御飯から検出されたと報道があっだばかり。五年が経ち、すっかり、忘れて暮らしていた。少年の目を通して、大人達の本音と建て前が垣間見えた。2016/05/14

ちいさな図書館

24
ほんとうは、子どもはわかってる、大人が完璧じゃないことを。ほんとうの気持ちを見せて欲しくて、まっすぐこちらを見ている。あれから5年が経とうとしている。これからは、フィクションの力の出番だ。物語を通して、それぞれの体験に訴える物語の力が必要なんだ。リクとまっすぐに向き合ったおとなたちのような、大人でありたい。2015/12/03

kiho

14
サラリと書かれた感のある物語の中に、知るべきこと、忘れてはならないこと、それを伝えようとする作者の思いがじんわりと感じられる⭐地震によって翻弄される主人公と福島に住む様々な人たち…心温まる出来事の裏には、辛さを内に秘めて生活が垣間見える。今もこれからも、忘れてはいけない人たちがいる…。2016/06/12

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/9899316
  • ご注意事項