感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みや
9
写真と短い文章とで戦時の世相や庶民の暮らしぶりをまとめた教科書の副読本のような一冊。死と隣合わせの困窮の中、娯楽を求め、日常を保とうとする先達の姿が認められて愛おしくなる。木炭自動車の悲劇や美味しそうな食品がプリントされた日米両軍の諜報ビラなど、寡聞にして知らなかった事実もあり興味深く読む。国力向上のための当時の人口政策は強権的にすぎるが、子を国の宝とした明快な視点は現代日本にも有効な理念のように思う。2021/12/21
kaz
2
時間つぶし的な内容ではあるが、配当の不正受給の実態、様々な代用品、絶対音感教育、意外と多かった行楽客、名優も移動演劇に、日本初の長編アニメ、優れた特撮技術、ケシのみの採取、集団疎開にかなりのお金が必要、徴兵保険のその後等、知らないことも多々あり、興味深く読ませてもらった。モノクロではあるが、写真も理解を助けてくれる。尤も、禁演落語の由来等は落語関係の書籍で伝えられるところと異なっている（軍部から禁じられたというよりは、自発的に封じたらしい）など、多少割り引いてとらえる必要はあるかもしれない。 2017/02/25
