内容説明
ダムの底に沈んだ村、洪水やなだれのために廃墟と化した村、公害と戦った村、かつて大繁盛した鉱山の集落、伝統や文化を今に伝える村、事件の舞台になった村…かつて日本に存在した村の姿がここにある。
目次
第1章 人々が追われた村(日本最大規模のダムの底に沈んだ村―岐阜県旧徳山村;山津波で全村移転を強いられた村―山梨県旧根場・西湖集落 ほか)
第2章 繁栄のなごりが残る地(廃坑跡に立つコンクリートのやぐら―福岡県旧志免鉱業所;島がまるごと廃墟になった軍艦島―長崎県端島 ほか)
第3章 人の姿が消えた土地(自然に還りつつある東京都内の廃村―東京都旧峰集落;国立公園の中に残るこけむした石畳の道―三重県元盛松 ほか)
第4章 逸話や伝説が残る村(村人の命を救った手掘りのトンネル―新潟県旧山古志村;沖縄の浦島太郎「ウサンシー」の伝説―沖縄県南風原町 ほか)
第5章 事件の舞台になった村(廃校に救われた雪山の遭難者たち―島根県旧広見集落;貧困打破のために人々が決起した村―埼玉県旧粟野村 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ユズル
22
封印でもミステリーでもない。そこに書かれているのは、災害にあったり、時代に流され消えてていった人々の、村の真実。切ないと思いつつ、時代を進んでいくのには致し方ないことなのかもと思ったり。いろいろ複雑な気持ちで読みました。軍艦島の正式名称、ここにきて始めて知りました。2017/05/14
HERO-TAKA
5
自然災害、産業の衰退、近代化の波に戦争、事件などで、人の存在しなくなった、もしくは僅かな人を残すのみとなった村や島などを紹介している。元はペーパブックのようで、掘り下げはそこそこに質より量の編集であるが、ポイントを押さえてあるのでさらりと読みやすい。個人的には、やはりかつての隆盛が忍ばれる鉱山跡に思いを馳せたい。2017/04/26
ちゃーりー
1
産業構造の変化、利便性等による廃れていった村を中心に取り上げられています。が、主にネット情報をまとめているせいか、「ココが見どころ!」という編者のこだわり、あるいは独自の視点といったものがなく、通り一遍な感じです。2016/12/21
葉
1
ダムに反対する村、山津波で村移転を余儀無くされた村、大雪崩で村人が生き埋めになった福井、三宅島の大噴火で一時的に人が消えた村、群馬県浅間山の大噴火で焼かれた村人、長崎の端島の廃墟感、兵庫県の旧摩耶観光ホテルの遺構、鹿児島県の臥蛇島は飢饉で人がいなくなったということ、マタギがいる秋田県など名も知らぬ村だらけの本だった。写真から現代からかけ離れていることは見てとれる。サイズ的にコンパクトな本という印象である。2016/02/27