ヨシタケシンスケ・伊藤亜紗「ちがいをかんがえる」ための12冊
「みえるとかみえないとか」(アリス館)と「目の見えない人は世界をどう見ているのか」(光文社新書)̶̶この2 冊に共通する"ちがいをかんがえる"をテーマに、ヨシタケさんと伊藤さんに5 冊ずつ選書をしていただきました。
この絵本と新書を出発点として、" ちがいをかんがえる"ことへの関心の広がりを楽しんでいただくとともに、自分と異なる身体、生物、考え、世界をのぞく面白さを、ヨシタケさんと伊藤さんの感想とともに楽しんでいただけたら幸いです。
紀伊國屋書店の一部店舗では「ちがいをかんがえる」ブックフェアを開催しております。
開催期間等、詳細は各店舗へお問い合わせください。▶ ブックフェア開催店舗
ちがう本01
ヨシタケシンスケ 選書
なぜ「へん」だと感じるのか、その理由が一つひとつ明らかになってきたとき、ふと気づきます。
「じゃあ、私は、この社会は、人間は、何がへんなんだろう」と。

「美術は本来、暮らしを豊かにするためのもの。もっと気軽に楽しんで」という山田さんのメッセージのもと、誰もが知る傑作絵画から、知る人ぞ知る名画まで紹介。笑って教養が身につく一冊。
ちがう本02
伊藤亜紗 選書
子どもを育てるとは、異なる相手との関係を育てること。

「聞こえる家族」に生まれたろう者の齋藤陽道さんと、「ろう家族」に生まれた麻奈美さん。ふたりの間にやってきた、「聞こえる男の子」。少しずつ異なる三人が家族になっていく様子は、あたたかな「ことば」に満ちています。エッセイであり、写真集であり、実践報告でもある、異なったままで関わり合うことの喜びを感じられる一冊。
ちがう本03
伊藤 亜紗 選書
あたりまえにやっていることこそ、視点を変えて見るとその奥深さに気づく。大人にも子どもにもおすすめです。

働きたくないイタチと言葉がわかるロボット 人工知能から考える「人と言葉」
川添愛、花松あゆみ / 朝日出版社
2017/06出版
ISBN : 9784255010038
価格:¥1,870(本体¥1,700)
「言葉がわかる機械」をめぐる寓話のようなイタチたちの物語と、実際の「言葉を扱う人工知能」の解説を通して、わたしたちがあたりまえに処理している言語の理解がいかに複雑なものか、そもそも言葉とはなにかを考えていきます。
ちがう本04
ヨシタケシンスケ 選書
自分とちがう人とどう向き合い、どう捉えるべきか。
とても丁寧な言葉で、たくさんのヒントが書かれています。

社会学者である筆者が出会った「解釈できない出来事」。分析も一般化もできないような、ちいさな欠片の一つひとつを、丁寧な言葉で綴ったエッセイ
ちがう本05
ヨシタケシンスケ 選書
「誰ともちがう自分」にとっての「普通の生活」とは何なのかを真剣に考え、たった一人で試行錯誤しながらそれを作っていたのだ、ということがよくわかります。

天才たちの日課 クリエイティブな人々の必ずしもクリエイティブでない
メイソン・カリ-、金原瑞人 / フィルムアート社
2014/12出版
ISBN : 9784845914333
価格:¥1,980(本体¥1,800)
古今東西の小説家、詩人、芸術家、哲学者、研究者、作曲家、映画監督が、いかにして「制作・仕事」に日々向かっていたのか。
それぞれの人物を特徴づける、日々の日課や毎日のスケジュール、部屋での様子や「仕事のお供」にした嗜好品などがぎゅっと詰まった一冊。
天才たちの仕事の秘訣がわかるかも?
ちがう本06
伊藤亜紗 選書
やればやるほどヤギと人間のちがいがあらわになる、サイエンス・ドキュメンタリー!

イグノーベル賞を受賞した、抱腹絶倒のサイエンス・ドキュメント。
ちがう本07
伊藤 亜紗 選書
相手が思ってもみなかった意外な一面を見せるとき、ちょっとびっくりする。同じことがダンゴムシにも言えるのでは?

心の研究をしていた著者は、このダンゴムシにも「心」があると考えます。迷路実験、行き止まり実験、水包囲実験など、未知の状況と課題を与え、ついにダンゴムシから「常識」では考えられない突飛な行動を引き出すことに成功します。
科学者の実験に対する態度や、著者による「心とは何か」の定義も興味深い一冊です。
ちがう本08
ヨシタケシンスケ 選書
「同じ人なんて一人もいない」。この言葉の意味することの、最もシンプルな表現がここにあります。「ちがいを面白がる」ことは、本来とても体力を使うこと。だからこそ価値があるのかもしれない。

『TOKYO STYLE』で、都市のリアルな賃貸生活を取材した著者が、その後9年をかけて取材した、約300人の暮らしの様子。廃墟を改造した部屋、服に埋もれた部屋、赤一色に染めた部屋、異常に狭い部屋、土足でないと危険な部屋など、「好き」が詰まった部屋の密度に圧倒されてしまいます。
「片づけないこと」「日当たりを遮ること」「コタツで全部すますこと」......それぞれのテーマも面白い一冊です。
ちがう本09
ヨシタケシンスケ 選書
おそらくほとんどの人にとって、この本にでてくる「しあわせ」は素直に受け入れられないはず。
「それはなぜだろう」と考えてみることは、いろいろなちがいについて考えるときに、とても大事な手がかりになるような気がします。

やがて少年は成長し、年をとって......。木は自分のすべてを彼に与えてしまいます。それでも木は幸せでした。
翻訳は村上春樹さん。想いの溢れる訳者あとがきも必読です。
ちがう本10
伊藤亜紗 選書
この本のすばらしさは、迷いやモヤモヤをちゃんと描いていること。「みんなとちがっていてもいいんだ!」なんていう言い回し、たしかに元気をくれるけど、そんな簡単に信じられるわけじゃない。

「不登校の子ども」と一括りにされてしまうこと、「明るい登校拒否児」の物語がハッピーエンドの物語として構成されてしまう違和感......当事者だからこそわかる葛藤をパワフルに綴った一冊。
あとがきと増補「性懲りもなく、迷いながら。」もぜひ!
● ヨシタケシンスケさん・伊藤亜紗さんの本 ●
中でも視覚は特権的な位置を占め、人間が外界から得る情報の8 ~ 9 割は視覚に由来すると言われている。では、私たちが最も頼っている視覚という感覚を取り除いてみると、身体は、そして世界の捉え方はどうなるのか――? 視覚障害者との対話から、〈見る〉ことそのものを問い直す、新しい身体論。
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